祇園祭の前祭が行われていた7月14,15日に、新町通の「くろちく百千足館」の2階で開催された「伝匠美 京あそび 屏風祭り展」にミモロは、出かけました。
祇園祭では、山鉾町の商家などが、代々大切に伝える屏風を、祇園祭の期間に公開する屏風飾りが行われます。
それにちなみ、開催されたこの展示は、なんと国宝や重要文化財の金屏風が一挙公開されるのでした。
午後からは、美術館や博物館の方々による講演も行われ、いっそう屏風に関して興味を抱くことができました。
ミモロが訪れた15日は、「京都国立博物館」の学芸員 福士さんの講演です。
屏風は、もともと風をふせぐための調度品。また、室内を区切る仕切りや装飾としても用いられます。襖との違いは、移動可能なこと。コンパクトに折りたため、収納も便利です。季節ごとに、取り替えて、趣を出すのに、昔はよく使われたもの。
「今は、あんまり屏風使うお家ないね~」とミモロ。でも、大きなワンルームを仕切るのに、本当は、すごく便利なものかも…。
今回の展示には、4種類の屏風が展示会場に並びます。重要文化財「豊国祭礼図屏風」狩野内膳筆、国宝「洛中洛外図屏風」岩佐又兵衛筆、重要文化財「洛中洛外図屏風」作者不明、国宝「源氏物語 関屋・澪標図屏風」俵屋宗達筆です。
「すごい屏風ばかりだね~」とミモロ。
講演後、ミモロたち参加者は、屏風をゆっくり観賞します。
「へぇ~こここんな風に描いてるんだ~」と、屏風のすぐそばで観賞。
ミモロ、近づきすぎ~「え?大丈夫だよ~」と。
実は、展示されている屏風は、すべて高精細複製で製作されたもの。大日本印刷(DNP)の独自な印刷技術で、大切な美術品などを後世に残すために、製作されたものなのです。
だから、すぐそばで国宝や重要文化財が見られます。
このプロジェクトは、現在、全国の美術館や博物館などで進行中。
「あ、ミモロちゃんですね~」と、DNPで京都文化遺産グループのリーダーの桐谷さん。
「ここに展示された屏風は、いつもは美術館などで、ガラスケースの奥に展示されています。でも、複製により、それをすぐ近くで観賞できるようになりました。ですから、美術館とは、また違った楽しみ方ができるんです。複製をよく見てから、本物を見ると、きっといっそう興味深く感じると思います」と桐谷さん。
屏風の複製に使われた技術は、金箔の上に印刷した特殊技術です。コピーとは異なり、金の輝きが本物なので、実物と同じような感覚が味わえます。
複製を製作するのは、本物の修復にも役立ちます。つまり、複製は、それ以上劣化しないため、複製製作年度以降の修復の手本にすることができるのです。
「地方で、このような展示をすると、すごい人気なんです」と桐谷さん。
いつもなら、美術館に行かなければ見れない屏風も、いろいろな会場で展示することができます。
また、いろいろな作品を一度に見ることも可能に。
近年、京都の神社仏閣の宝物や襖絵、屏風なども複製品を展示することが多くなりました。
確かに本物を見たい!とは思いますが、展示することで、その劣化の進行は年々進んでしまいます。
「でも、ずっと保管庫に置かれたら、つまんないよね~見れなくて~」とミモロ。
そう、やはり素晴らしい作品を見たいもの。
美術品の写真集などで、いままでは、目にしていましたが。この複製技術なら、本物と同じサイズで観賞でき、その迫力を感じることができます。
「やっぱりすぐそばで見れるのがいい~」と、小さなミモロは、美術館などのガラス越しでは、よく見えなかったのです。
今後、ますます印刷技術は進歩し、絵具の立体感なども再現できるように…。
「これはお土産品だって~」小さなサイズのものもできるのが複製ならでは。ほかにもいろいろありました。
次の時代に、歴史的な素晴らしい品々を伝えること。それが今の時代の使命・・・。
海外の美術品などの複製製作も、このような日本の印刷技術が大いに貢献してゆくことでしょう。
「本物じゃないけど、十分その迫力が伝わってくる~」とミモロも、存分に国宝や重要文化財を観賞したひとときでした。
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