今や日本で大きな桶づくりができるのは、大阪 堺にある「藤井製桶所」。そこにミモロは、見学に伺いました。

ミモロが驚く大きな桶は、酒造りの仕込みに使われたもの。桶の寿命は、意外に長く、味噌や醤油なら、100年以上使えるそう。
「ミモロちゃん、外で作業が始まりましたよ~」と、いっしょに行った「近畿民具学会」の方から声が…。
「は~い、急がなくちゃ~」とミモロは、慌てて外へ。
そこには、長ーい竹が置かれていました。

桶の箍(たが)に使う真竹です。竹は、京都産のものがいいそう。それは、節が目立たず、真っすぐで、根元の部分がやや細めだから・・・と。
「竹は、手間をかけないと、いいものが育ちません。京都の真竹は、昔から箍に使われ、以前は、和竹屋さんが、すぐ箍に組めるように、竹を削ってくれて、それを購入すればよかったんですが、今は、そういうところがなくて、自分でやらなくてはならないんです」と上芝さん。

京都には、茶室など建物の建材に使われる竹を専門に扱う店がありますが、箍に使えるような、長ーい竹を扱うところは少ないのだそう。そもそも長ーい竹を育てる山も激減しています。
長ーい竹を縦に割くように、分割してゆきます。


それを長ーいトイのようなものの中に入れて、曲がらないようにしながら、さらに作業を進めます。
「わ~すごく細くするんだ~」と、割いた竹は、編みやすいように、そして手をケガしないように、丁寧に切った部分の面取りをします。

「ほんとに、編むまでに手間がかかるんだね~」と、ただただ感心するミモロです。「実は、この竹を削る鉈を作る人が、ついいなくなったんです。だから、今後はどうなるか~」
いよいよ編む作業が始まりました。みんなでその様子を見学します。

巧みに竹を編んでゆく職人さん。桶の大きさを考えながら、その大きさを決めてゆきます。それも熟練の技…


「はい、できましたよ~」と、「すごい、あっという間だった気がする~」と目を丸くするミモロです。


次に、その箍を桶に設置します。

桶にかけた箍を、4人ほどが、木のへらのようなものと金づちを持ち、息をそろえて、箍を打ってゆきます。

少しやっては、次に移動・・・それを何度も繰り返し、箍をしっかりと桶に締めてゆくのです。
「ミモロもやりたい~」と、ちょっと参加させてもらいました。

締め終わった箍の表面をガスバーナーで熱します。「竹の油がでて、表面がキレイになりますし、よりしっかりするんです」と。


「ホントだ~艶々になった~」。「藤井製桶所」では、このひと手間を加えるのが特徴のひとつなのだとか。
「美しい~」 桶は、長年使うと、やはり、箍が緩んだり、板が劣化したりするもの。でも、その部分を修復すれば、100年以上使えるのだそう。そうやって、昔の人たちは、生活の道具を大切に使い続けてきたのです。

でも、今や大きな桶が作れるのは、ここ「藤井製桶所」だけに…。そこれ使う道具および資材を供給する人たちが、いなくなっている今、「あと10年くらいでしょうか。だから、今のうちに、桶の修復などが必要な場合は、言ってください~」と上芝さん。

日本の食を支えてきた桶・・・時代の移り変わりに晒されています。
「今日はありがとうございました~」とお礼を言って、後にするミモロです。

実際、ミモロのように関心を抱いても、その継続に寄与できないのが現状です。失われてゆくさまざまな技術に歯止めを掛けるのは、本当に難しいこと。
「でも、桶がなくなっちゃったら、美味しいもの食べられなくなっちゃうよ~」と、それが心配でならないミモロです。
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