大阪の堺を訪れているミモロ。堺は、昔からものづくりの町として発展したところです。
ミモロたちは、JRの「鳳駅」から、町なかを散策しました。

町を巡ると、ときどき大きな倉庫のような建物が…「あの~これなんですか?」とミモロは、同行する「近畿民具学会」の方に尋ねます。
「それは、だんじりを納めるところですよ~」と。「え?だんじり?」とミモロは、よくわからない表情です。


大阪を代表する祭りのひとつ「だんじり祭り」は、町中をだんじりといわれる山車を勢いよく走らせ、時にはグルグルと回転させたりする迫力ある祭りとして知られます。
「あの~だんじり祭りって、岸和田のお祭りじゃないの?」とミモロ。

毎年9月に行われ、全国的に有名です。
「でも、だんじり祭りは、岸和田だけのものではなく、堺をはじめ、大阪や兵庫など近畿地域は、いろいろなだんじり祭りが行われ、だんじりだけでも100基以上あるんですよ~」と。
「え~そうだんだ~知らなかった~」と目を丸くするミモロです。
「京都の祇園祭が、山鉾巡行の祭りだと思っている人多いけど、本当は神輿の巡行のためのお浄めの巡行だっていうと同じように、有名な祭りでも知らないこといっぱいなんだ~」と思うミモロです。
まず、ミモロが案内されたのは、だんじりに関わる祭りの装束や小道具、記念品などを扱うお店です。
そこでは、各町内のだんじり祭りに関係する品々がいろいろ揃っています。


ミモロが持つのは、だんじりの上で動く方向などを指示する人がもつ団扇です。「実は、いろんな団扇があるんですよ~」と…
「あ、これミモロちゃんにぴったりじゃない?」と言われたのは、お土産用の小さな半被です。


「わ~ホント、よく似合う~」と周囲からも声が。「そう?じゃ、お祭りの時に着ようかな~」とすっかりその気のミモロ。
でも、まだだんじりがどういうものか知りませんが…
ミモロたちが特別に見せていただけることになったのは「毛穴町」のだんじりです。


「え~これがだんじりの車なの?」と姿を現した地車という曳き手が引く山車。

「すごい~」とミモロは、言葉もありません。
欅に彫り込まれた複雑な彫刻。それが地車全体に施されています。


「え~こんなにすごい彫刻がされているって知らなかった~」と呆然とするミモロ。
だんじりと言えば、勢いよく町を走り、屋根には人が乗っていて、ときどきどこかにぶつかったりと、すごく荒っぽいイメージを抱く人も多いはず。でも、その地車が、なんと素晴らしい芸術品であることは、あまり知られていないのでは?

陽明門のように彩色は全体にされることはありません。ときどき見られるのは、赤や白の色で、それはポイントに使われているようです。
さて、この彫刻を担当したのは、木彫師の前田暁彦さん。

「あれ?思ったより若い方…」とミモロ。前田さんは、昭和51年堺市に生まれ、子供のころから憧れただんじりの木彫師を志したのは、大学生の時。大学卒業後、『木彫岸田」に弟子入りし、だんじり木彫の世界で修業を積み、平成20年に独立「木彫前田工房」を設立し、木彫の伝統の技を継承すると共に、その発展に挑んでいます。
「あの~このだんじりには、何が彫られているんですか?」とミモロ。
「いろいろ歴史的な場面が描かれているんですよ~」と。勇ましい戦いの場面も多く、そこには、秀吉や信長、明智光秀などの戦国武将が登場します。

立体的な彫り物は、迫力満点。
そもそもだんじり祭りは、秀吉の大阪城建設に関わりがあったといわれるもの。なので、秀吉は勇ましい姿ですが、徳川家康は、どこか情けない感じで登場。「やっぱり大阪って、秀吉びいきだよね~」と、江戸生まれのミモロ。
江戸時代には、盛んになった祭りは、五穀豊穣などを地元の神社へ感謝するもので、それぞれの地域の氏神様にだんじりを引いて宮入するのです。「祇園祭みたいに、八坂神社だけの祭りじゃないんだ~」と、京都の祭りが基準のミモロ。
でも、祇園祭の山鉾と同様、屋根の上で指示をするのは、山車を組み立てる「大工方」の方々です。
「だんじりの地車は、神輿ではありません」と。「え?どういうこと?」とミモロ。
地車に乗るのは、お囃子の太鼓などで、そこに神さまは乗られません。「屋根に人が乗りますからね~」と。つまり神さまに、地元の人たちが、感謝とお願いに伺うものだと言えそうです。
「勇ましいものだけじゃなくて、ミモロちゃんの好きそうな金魚もいますよ~」と前田さん。
側面を見ると、「あ、金魚・・・どじょうもいる~」とニッコリするミモロ。


「毛穴町」のだんじり祭りは、毎年10月に行われます。
「ミモロちゃん、ぜひ見に来てください~」とだんじりのお役をなさる方々に・・・

「でも、あんなに勢いよく走って、この彫刻壊れないかぁ~」と心配そうなミモロ。

「はい、ときどき壊れます。でも、また直します・・・まぁ、できるだけ壊れないように注意しながら走りますけど…」と。
「昨年に、この地域のだんじりの修復や建造はすべて終了したんです。ですから、今後、どこかで木彫を望むところがあれば、やりますよ~」と前田さん。木彫のご用命があれば、ぜひ「木彫前田工房」へとのことでした。
今年の秋は、ミモロのだんじりリポートがあるかも…お楽しみに~
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