夏の襟裳岬はまずノラニンジンが迎えてくれる
襟裳岬が近くなると、行く道みちの両脇に白い花が沢山咲いているノラニンジンが迎えてくれます。この花をえりもで見たのは8月初旬の事でしたが、長い事咲いる植物なので、多分今に(お盆の季節に)なっても咲いている事だと思います。茎が細く伸びて先にニンジンの花と同じような白い花を付け、風にゆらゆら揺れて風情があり、旅情をかき立ててくれます。
「ノラニンジン」と言う名を深く認識したのは、北海道医療大学「漢方・薬学講座」の海野先生の講演をお聞きしてからのことでしたが、さらに深く好印象を持ったのは8月1~3日の襟裳岬の植物撮影旅行の時でした。
札幌に戻り、ニンジンの花と同じ様に野に咲く白い花が道脇に咲いていて、言わずもがなノラニンジンなのでした。家の机の上にガラスのウツワにさして飾られたこの花を見て、この花の面白さに感心しているのです。
右写真 花の集まりの真ん中に黒い点が見られます。これがノラニンジンの特色だとか(ラビ妻・撮影)
何に感心したかと言いますと、この花には臍があるのです。白い花の集まりの真ん中に黒い点があり、これこそが「ノラニンジンの臍」なのだと感心しています。
写真を撮っていても、ただの風景写真では面白さはなく、そこに人の姿があったり、鳥が画面に映っていたりすると写真の物語り度が高まります。これこそが臍というものです。この写真の臍は?などと自分に問いながら毎回撮影をしていますが、ノラニンジンは自然に与えられた臍持ちの植物なのでした。
調べもしないでこの花の集まりの真ん中の黒い点は何なのか、何の役目をするのか不思議な現象に面白がっているのです。
写真もそうですが、その写真に臍があるかないかで、写真の面白さが違うのです。その一点がノラニンジンにはすでにあるのです。