「自然派アイヌの生活と 植物たち(9) 完」
自然の中に生きる、これぞ人間の本来の姿なのです。アイヌはその自然にはぐくまれて生活していました。
※ このブログでは、詰まる音は表現できていません。
(91) マユミ
カスプ二(杓子・木)
杓子として使用した。
(92) ヤマグワ
テシマニ(かんじき・木)
かんじきの材とした。
(93) トドマツ
フプ
トドマツの樹皮で仮小屋を造った。
(94) エゾマツ
スンク
木は矢幹に用い、樹皮は屋根や壁を葺くのにも用い、枝根はまげ物を綴じるのに用いた。
一夜の宿を貸すエゾマツは、雪の中で冬猟の恰好な野宿の場ともなった。枝は燃やして冬の暖を取った。
(95) エゾニワトコ
ソンコニ(糞・もつ・木) チカピぺ(鳥・食べ物)の別名もある。
魔除けのイナウや魔除けの時に使うタクサ(手草)に用いた。
(96) エゾノウワミズザクラ
キキンニ (身がわりに出て危険を追い払う・になる・木)
木の臭いがきつく、病気の神を追い払うという。風邪の引きはじめに、樹皮を煎じて飲むと良い(近文)という。
(97) ナナカマド
イワキキン二(山地・悪魔を追い払う 棒弊・になる・木)
春の硬雪のころ熊撃ちで山に入ったときに、高い場所では他の材が無く、ナナカマドを削った。
「アイヌ植物誌」福岡イト子 参照