昨日夫と国立西洋美術館で開催中の「自然と人のダイアローグ展」を観てきました。
『国立西洋美術館リニューアルオープン記念として、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館の協力を得て、自然と人の対話から生まれた近代の芸術の展開をたどる展覧会を開催します。
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本展では会館から現在にいたるまでの量感のコレクションから、印象派とポスト印象派を軸にドイツ・ロマン主義から20世紀絵画まで100展を超える絵画や素描、版画、写真を通じ、近代における自然に対する感性と芸術表現の展開を展観します。』(公式サイト「開催趣旨」より)
作品は、
I.空を流れる時間
II.<彼方>への旅
III.光の建築
IV.天と地のあいだ、循環する時間
という4つのテーマに分けて展示されていますが、その意味するところは、長い説明文を読み通す気力もなく、正直よく理解できませんでした。
でも、ともかく、印象に残った(好みにあった)作品をいくつかテーマ分類と共にご紹介。
セザンヌ《ベルヴュの館と鳩小屋》1890-1892 フォルクヴァング美術館(テーマIII)。既視感のある、いかにもセザンヌらしい作品です。
レイセルベルヘ《ブローニュ=シュル=メールの月光》1900 フォルクヴァング美術館(テーマIII)。点描画は、スーラやシニャックで馴染みがありますが、ベルギーの画家レイセルベルヘの絵は初めてです。海に映る月の光と点描画が見事にマッチして、とても素敵な作品でした。
ルノワール《木かげ》1880 西洋美術館(テーマIV)。ルノワールは人物画が余りにも有名で、風景画は見る機会が少ないですが、温かく豊かな色調と柔らかなタッチが、ルノワールらしく好ましかったです。
ゴッホ《刈り入れ》1889 フォルクヴァング美術館(テーマIV)。
ゴッホ《ばら》1889 西洋美術館(テーマIV)。
ゴッホの作品展は日本でも度々も開かれ、私自身見れば見るほど好きになっていますが、この《ばら》という作品(1889年に入院したサン=レミの精神療養院に咲くばらを描いたもの、とのこと)は、今回見た全作品の中で一番心惹かれました。
若い見学者が多く、意外に混み合っていた会場から外に出ると、リニューアルされた美術館の前庭は、緑豊かだった木々がほとんどなくなって、広いグランドに「考える人」や「カレーの市民」など、ロダンのブロンズ像がポツンポツンと置かれている感じになっていました。これら彫像をじっくり見るには良いかもしれないけれど、私は前の雰囲気の方が好きだったな。
雨に濡れた上野の森公園は緑がいっぱ~い!やっぱり思い切ってでかけて良かった!(三女)