19日から8泊9日で、知床から積丹まで北海道を横断して来ました。総勢8名(男3、女5)が2台の車に分乗しての大移動です。
旅行中3回トレッキングを行い(1部の人達はシーカヤックも)、宿は民宿、ペンション、コテージ、レンタルハウスなど様々で、食事は自炊が半分。メンバーの平均年齢が60歳超とは思えぬ体験型の旅になりました。
まず釧路空港に入り、「和商市場」で花咲蟹など夕食用の材料を、「風牧場」で朝食用のヨーグルトを買って、釧路湿原経由で弟子屈に。弟子屈にはメンバーの1人T氏がすでに3ヶ月近く滞在していて、その宿泊先で水だこのしゃぶしゃぶをメインに、宿のオーナーなどを交えて大パーティ。T氏以外の7人は近くのペンションに宿泊。
(2日目)野付半島散策、標津のサーモンパーク見学の後、羅臼に。
羅臼近辺には「相泊温泉」と「熊の湯」の2つの温泉があり(「セセキ温泉」は特殊なので除く)、どちらも露天だけの素朴なもの。女性3人はワイルド度が高いと言われる相泊を敬遠して熊の湯に行き、私を含む5人が相泊に。
相泊温泉は日本最東端に沸く温泉で、もともとは海からあがった漁師達が冷えた体を温めるために海岸に浴槽を造ったという、簡素な木枠とブルーシートで囲われて男女別に板で仕切られた、夏場以外はその囲いも無いという確かに野趣味豊かなもの。でもその無骨さと立地が他では味わえない魅力でもあって、透明度の高い熱めのお湯とともに抵抗感無く楽しめました。
夕飯は民宿「本間」の女将心づくしの料理で、きんきの湯煮(半身を昆布で巻いて深層水で茹でたもの)、毛蟹ほかの超豪華版。しばらくは蟹を食べたくないと思うほど堪能しました。
(3日目)朝から今回は全員で相泊温泉に。温泉まで約30分、朝日の中を海岸沿いに走ると昨日は雨模様で見えなかった国後島が海の向こうに横たわり、また途中、キツネが大きな魚を咥えた姿や、海岸で餌を探す姿を見かけたりと、いかにも知床らしい光景でした。
この日のメインは午前中の羅臼湖トレッキング。大原野を知床最大の湖 羅臼湖まで歩くのですが、普段でもぬかるみが多い道が数日降り続いた雨のためズブズブ状態。東京から長靴を持って来るようにという指示は大正解でした。往復3時間以上。羅臼湖も途中の沼々も霧で霞み、とても幻想的なトレッキングとなりました。ちなみにここには環境保全のためにトイレが無く、念のため女性全員パッドをつけての参加。幸いこちらは誰も利用しないで済みましたが、結構どきどきものでした。
午後は知床五湖に。途中、フレベの滝に寄り、知床五湖では1湖と2湖だけを巡る1.6キロの小さいループを選択。間近に鹿の親子に出遭ったりして、羅臼湖とはうってかわって楽な散策を楽しみました。
この区間の半分、センターと1湖の間は、熊の保護と人間の安全のために高架木道になっており、見晴らしが良いのは勿論、段差が無いため車椅子での通行が可能とのこと。そしてなかなか芸術的でした。
羅臼湖の大原野では木道を作業員3人でこつこつと整備していましたが、自然保護のために資材をヘリコプターで運び入れ、重機を使わない地道な作業。知床五湖の高架木道建設も同様に自然保護第一で進められたことでしょう。自然保護と観光の両立には信じ難いほどの情熱と努力が必要なのですね。(四女)