昨日は、TMさんに誘われてポレポレ東中野で開催中の「36年目のチェルノブイリ」上映会に行ってきました。
4月26日は、36年前にチェルノブイリ原発事故が発生した日で、これまでも毎年この日前後に“4.26上映会”が行われてきたようですが、正直、最近まで遠い国の遠い出来事という感じで、ぼ~っと見過ごしてきました。
でも、最近のロシアによるウクライナ侵攻で、チェルノブイリも標的になったと知って、急にチェルノブイリ原発は今も私たちに関わる重大な問題だと感じ、同時に、ウクライナの人たちの今の悲惨な状況から、チェルノブイリの近くの住民は今ままでどのように暮らし、今どうしているかも気になって、今回は是非見に行きたいと思いました。
上映作品は、上映日によって違いますが、『ナージャの村』(1997年)、『アレクセイと泉』(2002年)、『ベラルーシ再訪2017』(2018年)、『人間の汚した土地だろう、どこへ行けというのか』(2021年)、全て本橋成一監督の作品です。
昨日は『ベラルーシ再訪2017』と『人間の汚しが土地だろう、・・・』という最新の2作品の上映と、上映後本橋監督の挨拶という予定でしたが、本橋さんが最近撮影中にケガをされたそうで、挨拶は急遽中止になりました。
『ベラルーシ再訪』は、2017年に本橋監督が、『アレクセイと泉』に出てくる若者アレクセイと共に、ベラルーシ・ブジシチェ村を15年ぶりに再訪し、今の村の様子、村の人々の近況や“奇跡の泉”の状態を観察し、更に『ナージャの村』の主人公ナージャの一家を訪ねて家族から歓迎を受ける様子を映し出す短編ドキュメンタリーです。
『人間の汚した土地だろう、どこへ行けというのか』は、2019年にプロデューサーの神谷さだ子さんと共に、二作品の撮影地を再度訪れ、原発事故後に、強制移住に応じない理由を表題の言葉で語った人物アルカジイ・ナポーキンのお墓を、彼を知る村人の案内で訪れる様子を描いています。
かつてゴメリ州の村々の人たちは、自然の中で懸命に働き、様々な命を慈しみ育て、収穫祭の後には、彩り豊かなスカーフをして広場に集まり、歌ったり踊ったりして、穏やかで心豊かな日々を送っていました。
そんな人たちが、原発事故の後、故郷からの立ち退きを余儀なくされ、ナポーキンのように残ることを選んだ数少ない人たちも、年月の経過と共に、今は多くが亡くなっています。
本橋監督らが訪れたお墓には、美しい花とリボンが飾られ、亡くなった人たちに対する深い敬愛の念が感じられましたが、その光景が、ウクライナで現在日々犠牲になっている人たちの埋葬の映像とも重なって、こんなに情愛あふれた人びとの命や暮らしをいとも簡単に奪い去る「戦争」や「原発」は、なんて罪深いんだろうと、改めて感じさせられた、上映会でした。(三女)