1週間ほど前のことになりますが、新橋演舞場にお芝居を観に行ってきました。劇団新派の二月喜劇名作公演で、『お種と仙太郎』『大当り高津の富くじ』『おやじの女』の3本立て。水谷八重子、波乃久里子のほか中村梅雀などが出演しており、皆さんとても達者で、他愛の無い人情話もなかなか楽しめました。
新派には自分から積極的に行く事は無く、今回は友人が桟敷席に招待してしてくれたので、どちらかというとそちらの方に惹かれて行ったという、新派好きには怒られそうな話なのですが。
新橋演舞場の桟敷席は場内1階の横の壁に沿って左右20席ずつあり、それが4~6席ずつに仕切られて部屋になっています。1階のちょうど上辺りに位置するので見やすく壁際でも全く支障無し。座席は二人用テーブルに掘りごたつ式で、ポットに入った熱いお茶まで用意されているので、テーブルに肘をついて見ていると家でゆったりと寛いで見ている気分でした。
幕間の食事はいつもならお弁当を適当に買っていくところを、今回は徹底して桟敷席らしさを楽しもうと桟敷席用の食事を予約。4種類ある料理の中から友人は“季節のごはん善(鯛めしほか)”を、最近折り詰を食べる機会が多かった私は“鰻重”を選択。1幕が終わる前に入口の配膳台に届けられるので短い休憩時間にあたふたすることがなく、またお吸い物付きでも前のテーブルにおいて食べられるのでゆったりと食事を楽しむことができました。
桟敷席だということでいつもよりちょっとお洒落をして、でも寛ぎ感一杯にひたすら楽しいお芝居を見、美味しくて栄養のある食事を食べたら、昨年末来続いていた疲れがいつの間にか消えていました。こういう贅沢もたまには良いですね。演目も気分にぴったりだったようです。
演舞場からの帰りに歌舞伎座の前を通りかかったら、建物の覆いが既にはずされてライトアップされていました。白くライトアップされた姿は幽玄で、寒風吹きすさぶ中、通りがかりの多くの人がカメラにおさめていました。
今日(2/26)が竣工式だということでニュースで紹介していましたが、ライトアップの色が季節や時間帯によって変わり、冬は暖色系の白、夏は涼しげな純白とのことでしたので、私が見たのは試験的ライトアップで夏の白だったようです。
古い歌舞伎座を惜しむ声もありますが、新歌舞伎座も美しく、時が経つにつれて味がでてくることでしょう。歴史的建造物の誕生に立ち会っているということですよね。(四女)