昨日夕方、渋谷Bunkamuraのザ・ミュージアムで開催中の「デュフィ展」を見に行って来ました。
ラウル・デュフィ(1877-1953)は、フランスのル・アーヴルの港街の生まれ。23歳の時にパリの国立美術学校エコール・デ・ボザールへ入学。印象派のモネ、ゴーギャン、ゴッホ、ピサロなどに影響を受けた画家と言われています。
生まれ育った街の環境や、芸術を学んだ場所柄のせいか、絵はどれも色調が明るく、筆遣いが独特で、楽しく心地よい作品ばかりです。
上の絵は、「ヴァイオリンのある静物・バッハへのオマージュ」。1952年=晩年の作品です。背景にササッと軽やかに散りばめられた花の絵が、何とも魅力的。デュフィは織物のテキスタイルデザインも手がけていたので、そういうセンスが絵の中でも光っているようです。
年代が逆順になってしまいますが、この絵「クロード・ドビュッシーへのオマージュ」も同じ晩年の作品。デュフィは晩年には多発性関節炎を患い、不自由な身体になっていたようですが、作品はあくまでも伸び伸びとして明るさを失っていません。
こちらは、1928年の作品で「ニースの窓辺」。青のゆるぎない美しさを表現している、というような説明がありました。
これは、「トゥルービルのポスター」。1906年の作品。当時の町の雰囲気が伝わってきます。
他にも「パリのパノラマ」(1924-33)、「電気の精」(1952-53)など、時代の雰囲気の伝わるパノラマや壁画の復刻版など、楽しい作品が沢山あったのですが、残念ながら絵葉書その他には、なっていませんでした。
また、ギョーム・アポリネールの「動物詩集あるいはオルフェウスとそのお供たち」に版画の挿絵を提供していて、詩と絵のマッチングがとて魅力的でした。いつか是非この詩集を買いたいと思います。
このところ、美術展も映画もなぜか暗いトーンのものが続き、少々気が滅入っていましたが、久々に晴やかな作品に触れることができて、文句無く楽しめ、気持ちも心なしか明るく爽やかになりました。・・・それにしても、夏の渋谷の町の蒸し暑さ、人の多さ!これには参りました、、、。(三女)