「ぐるた」は「周囲」や「周辺」や「まわり」の意。
例文1
「ためいけ の ぐるた を あいく」=「溜め池のまわりを歩く」
「ぐるた の しょう の くうき も よめ よ」=「まわりにいる人たちの空気も読めよ」
「ふしんしゃ が おらとこ の ぐるた を うろついてる」=「不審者が我が家の周りをうろついている」
「ぐるた の いけん に まどわされず に ちゃんと はんだん しろよ」=「周囲の意見に惑わされずにきちんと判断しなさいよ」
「そのむかし まつもとじょう は ぐるた を そうぼり で かこまれてた だぞ」=「その昔 松本城は周囲を総掘りで囲まれていたのだよ」
「あいつぁー は しっぱい すると かならず ぐるた の しょう の せい に する」=「あいつは失敗すると必ず周囲の人達のせいにする」
「ちきゅう の ぐるた を まわる さいしょ の じんこうえいせい は スプートニク1ごう だじ」=「地球の周りを回る最初の人工衛星はスプートニク1号ですよ」
「き の ぐるた だけ ゆき が とけて つち が みえる こん を ねびらきって ゆう だじ」=「木の周囲だけ雪が融けて土が見える事を根開きと言うのですよ」
例文2
※織田信長と豊臣秀吉は幼馴染と言う仮定での会話
織田信長 「きのんなのんでけーったら かかさのやつおこっただかなんしただかしらねが げんかんにかぎがかかっていたもんで せー うちのぐるたまわってどっかまどでもとでもあかねーかとおもっていろいろやってみただがだめで けっきょくくるまのなかでねるはめになっちまった わいね。」
例文2の標準語(?)訳
織田信長 「昨日お酒を飲んで帰ったら 奥さんが怒ってしまったのでしょうか 玄関に鍵がかかってしまっていて 家の周りをまわって何処か窓か戸が開かないかと思っていろいろやってみたのです駄目で 結局車の中で寝る事になってしまいましたよ。」
豊臣秀吉 「俺はそのような事はしょっちゅうですよ。
だから 植木鉢の下に玄関の鍵を何時も置いてあるのですよ。
織田さんも今度置いておいたらどうですか。」
田圃の「ぐるわ」の畔草を刈り取る、というような使い方です。
これだけテレビやラジオから標準語が流れていると、我が家で使っている松本弁も私の代で終わりになってしまうかもしれません。
それとも、ぐるたが先?
私の周りは、ぐるりか、周りしか使わないですね。
お国言葉っておもしろいですね。