駒とめて見るにも飽かずさくらばな折りてかざさむこころゆくまで(風雅和歌集)
いへづとに花をつつみてかへるさは匂ひぞ袖にもれて散りける(正治二年初度百首)
さくら狩り雨は降りきぬおなじくは濡るとも花のしたにやどらむ(古今和歌六帖)
散りまがふ花にこころのうつりつつ家路をさへも忘れぬるかな(風葉和歌集)
暮れぬとて立ちこそかへれ櫻狩なほゆくさきに花を残して(風雅和歌集)
けふもまた飽かぬながめに暮れはてぬあはれ立ち憂き花のかげかな(正治二年初度百首)
行き暮れて木のしたかげを宿とせば花やこよひのあるじならまし(平家物語)