monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

平知度、平知忠を花にたとえると

2010年03月29日 | 日本古典文学

 「平家花ぞろへ」より、平知度と平知忠を花にたとえている文章を抜き出します。(「室町時代物語集成12」角川書店)

(平知度)
 このかみたちにもすぐれ、年よりもおとなしやかなる体(てい)、岩に白つつじとこそ。

(平知忠)
 岩つつじの、ことにからくれなゐなる心地したまふ。

 平知度は、清盛の息子のひとり。
 平知忠は、知盛の次男。山吹にたとえられた知章の弟です。


躑躅(つつじ)

2010年03月29日 | 日本古典文学-和歌-春

つつじ咲くならびの岡の松かげにおなじ夕日の色ぞうつろふ(夫木抄)

入り日さす夕くれなゐの色映(は)えて山もとてらす岩つつじかな(金葉和歌集)

入り日さすをちの岡べのをかつつじゆふくれなゐに色ぞまされる(永久百首)

入り日さすむかひの岡の岩つつじいはねどしるき春の暮れかな(現存和歌六帖)
.

思ひいづるときはの山の岩つつじいはねばこそあれ恋しきものを(古今和歌集)

なにごともしのぶの岡の岩つつじいはで思ひの色に出(い)づ らむ(夫木抄)

初瀬がは岸の岩ねのしらつつじ知らじな人は身に恋ふるとも(夫木抄)

浅からぬ思ひを人にそめしより涙のいろは濃(こ)つつじの花(夫木抄)