monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

惜春・残春

2010年03月30日 | 日本古典文学-和歌-春

行きて見ん深山(みやま)がくれのおそざくら飽かず暮れぬる春の形見に(風雅和歌集)

ふるさとの花のさかりは過ぎぬれどおもかげ去らぬ春の空かな(新古今和歌集)

吉野やま花のふるさとあとたえてむなしき枝に春風ぞ吹く(新古今和歌集)

花は散りその色となくながむればむなしき空に春雨ぞ降る(新古今和歌集)

濡れて居(を)る藤の下かげ露散りて春やいくかの夕暮れの空(玉葉和歌集)

春もはやあはれいく夜にありあけの月かげほそき横雲の空(延文百首)

春のなごりながむる浦の夕なぎに漕ぎわかれゆく船もうらめし(風雅和歌集)


まさに朧月

2010年03月30日 | 雑日記

 宵のくちに東からのぼる満月を見ることができました。まさに朧月です。月をさえぎる雲はないのですが、少し霞がかかって輪郭がにじんだようになって、とても風情のある眺めでした。低い位置に月があると、中空にあるよりも大きく見えて、贅沢な気分になります。
 思わずウットリ眺めて、王朝時代にトリップしてしまいましたよ。

 桜が咲いていれば、花見に絶好の晩です。なにせ、桜と満月を同時に楽しめる機会は、めったにないことと思いますから(しかも、晴れて)。
 残念ながら、まだ桜は咲いてないので、脳内花見しかできませんが、それでも春の朧月をこの目で見ることができて、心が豊かになった気分です。