ちはやぶる神奈備川にかげ見えていまや咲くらむ山吹の花(古今和歌六帖)
玉藻刈るゐでのしがらみ春かけて咲くや川瀬のやまぶきの花(新勅撰和歌集)
咲きにけり苗代水にかげみえて田中の井戸のやまぶきのはな(続古今和歌集)
くちなしの色にぞ澄めるやまぶきの花のしたゆく井手の河みづ(千載和歌集)
色も香もなつかしきかなかはづ 鳴くゐでのわたりの山吹の花(小町集)
沢みづ にかはづ 鳴くなりむべしこそ岸の山吹さかりなりけり(後拾遺和歌集)
ひとへだに飽かぬこころをいとどしく八重かさなれるやまぶきの花(詞花和歌集)
春風はのどけかるべし八重よりもかさねて匂へ山吹のはな(拾遺和歌集)
春ふかみ井手の川波たちかへり見てこそゆかめ山吹の花(拾遺和歌集)