「花筐」という単語の「花などを摘んで入れるかご。花籠。」という語釈については、日本国語大辞典・第2版では、『平家物語』(13C前)の例が早い用例として挙げてありますが、100年近くさかのぼる用例があります。
しづのめがはなつみたむる花がたみかたみになぞやひとめしるらん
(28・為忠家初度百首、恋、共忍恋、626)
『新編国歌大観 第四巻 私家集編2 定数歌編 歌集』角川書店、1986年、270ページ
「花筐」という単語の「花などを摘んで入れるかご。花籠。」という語釈については、日本国語大辞典・第2版では、『平家物語』(13C前)の例が早い用例として挙げてありますが、100年近くさかのぼる用例があります。
しづのめがはなつみたむる花がたみかたみになぞやひとめしるらん
(28・為忠家初度百首、恋、共忍恋、626)
『新編国歌大観 第四巻 私家集編2 定数歌編 歌集』角川書店、1986年、270ページ
「色添う」という用語には「色がひときわ濃くなる。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では1280年が早い用例ということになっていますが、100年以上さかのぼる用例があります。
春ふかきゐての川水色そはゝいくへかみへんやまふきの花
(巻第百六十七・堀川院御時百首和歌、春)
『群書類従・第十一輯(訂正三版)』塙保己一編、続群書類従完成会、1993年、149ページ
「褪(あ)せ行く」という単語には、「色が薄くなってゆく。物が色合いを失っていく。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では、『永正十年二月十六日牡丹花宗碩両吟何人百韻』(1513年)からの例が添えられていますが、少なくとも300年以上さかのぼる用例があります。
つばなぬく北野の茅原あせ行けば心ずみれぞ生ひかはりける(40ページ)
山がつの住みぬと見ゆるわたりかな冬にあせ行くしづはらの里(172ページ)
『新訂 山家集(岩波文庫)』佐佐木信綱校訂、岩波書店、1928年
河款冬
春もおし又川浪に口なしのあせ行色の山吹のはな
(50・正徹4・草根集、71)
『私家集大成 5巻(中世3)』和歌史研究会編、明治書院、昭和58年、534ページ
「山たず」の語釈は日本国語大辞典・第二版では、「②山で木を伐るのに用いる手斧。」とありますが、用例が記載されていません。和歌に用例があったので、以下にあげます。
樵路早蕨
薪樵るこのもかのもの初蕨折々たゆる山たづの音
(「うけらが花」巻一・春歌)
『校註国歌大系 第十六巻(近代諸家集2)』国民図書編、講談社、1976年、198ページ
「心の跡」という用語の用例は、日本国語大辞典・第二版では1320年ですが、100年以上さかのぼる用例があります。
右 家隆
思ひかね澤の根芹を摘みてだに心の跡をいかで残さむ
(六百番歌合、恋五十首、見恋、二十二番)
峯岸義秋校訂『六百番歌合・六百番陳情(岩波文庫)』岩波書店、1936年、225ページ