園長です。
先日、横浜で行なわれた「保育研究大会」のあとに、ちょっとだけ寄り道して、トラさんで有名な「帝釈天」に行ってきました。映画ではフーテンのトラさんシリーズは48作あるそうで、そのほとんどは「柴又駅」がスタートになっているそうです。ところがこの「柴又駅」は、とてもわかりにくい。下町とはいっても場所によって電車の路線が違う。私達は田舎者なので、東京の電車マップなるものを見ても、どこがどの路線なのかわからない。特に私鉄の小さい駅は地図にも乗っていない。はじめにホテルで聞き、乗り継ぎ駅で駅員に聞き、やっとたどり着いたと状況でした。
駅前は観光客であふれていましたが、観光ガイドボランティアに見所はどこか聞いたところ、「よかったら案内します」ということでお願いした。自分達では見ることしか出来ないが、エピソードや資料などを携帯していて、事細かに説明してくれた。駅から続く「参道」は浅草の仲見世ほどではないにしろ、老舗が立ち並び、死活の匂いが漂っていた。トラさんの映画に出てくる店では、ポスターや写真を貼って宣伝効果絶大のようだった。団子屋の女主人とも会い、お土産までもらった。さすが寅さんの世界・・・人情には厚い人々が住んでいる様だった。寅さんが帝釈天で産湯を使ったという湧き水は、本物の湧き水で、硫黄の匂いが少しするおいしい水だった。私がイメージしていた帝釈天は、こじんまりした地元の神社、という感じだったが、1,400年の歴史がある、由緒正しいお寺だった。彫り物が有名で、透かし彫りなど素晴らしいものだった。寅さん記念館は、映画で使ったセットがほとんど収められていて、寅さん映画の素晴らしさを実感した。ところで、私はあまり寅さんの映画を見ておらず、ガイドさんの話にあまり付いていけなかったが、ガイドさんが寅さんみたいで、楽しく2時間あまりを付き合ってくれた。参道の中ほどにあった、挽きたて、作りたて、ゆでたてのソバを食べ、「山下邸」の日本庭園を見て、中でやっていた「素人寄席」を聞き、帝釈天を後にしたのでした。
小さい街でしたが見所がたくさんある葛飾柴又でした。下町の人情が伝わり、古いものを活かした街作りを見て、我が八戸の貧弱な街作りを思い浮かべ、すこし残念な気持ちになりました。それにしても、人が集まるところは活気があり、歴史も文化も残っていることを改めて感じました。柴又のもともとの地名は「嶋俣」といわれ、古事記にも出てきた地名だそうです。当時の戸籍が残っていて、その中に「刀良」(とら)、と「佐久良」(さくら)の名前があったそうです。1,400年前のトラとサクラにあってみたいものだと思いました。