園長です。
青森でもう一つ強く言ったことが有ります。それは人材育成の問題です。少子高齢化のために保育士を目指す若者が少なくなったと言うことです。昨年は地元の養成校に呼ばれ、保育園のPRをしてきましたが、養成校でも地元に残らない学生が増えていることを嘆いていました。今までは買い手市場でしたが、今は採用したくても保育士がいない状態です。保育士を目指す学生は地元より「都会」志向が多いそうです。地元では3月にならないと採用が増えません。しかも期限付きの採用がほとんどです。他方、都会からの採用は10月から始まり、ほとんどが「正職員」です。正職員・・・懐かしい響きです。雇用期間がない採用は、学生にとって大きな魅力なようです。これでは勝負にならないのは目に見えていますが、地元の人材が地元で働けない状態と言うのは辛いものがあります。今、日本では保育士資格がある人の3割しか職についていないそうです。子育て、介護などで仕方がないのかもしれませんが、保育士に魅力がなくなってきているのかも知れません。八戸でも「いつでも募集すれば何人でも応募がある」と言うことはなくなりました。4月の入園式までにやっと探した、という園長がほとんどだと思います。この先、地方の保育園の保育士不足は益々顕著になると思います。今のうちに対策を立てないと大変なことになりそうです。もっと私達は養成校と話し合い、お互いの利益のために協議したほうが良いのではないでしょうか。
また、学生達が保育士を敬遠する理由がもう一つあるそうです。それは、保育実習で保育に希望が持てなくなった・・・と言うことだそうです。養成校の勉強と実際の保育との違いも有るのでしょうが、学生が「保育は楽しくない」と思うことが多くなったそうです。我が園も厳しい指導で聞こえているそうですが、厳しいだけで夢を捨てることはないと思います。実習の仕方をもう一度見直して、保育園のためだけでなく、実習生の将来も考えて指導をしていきましょう。私は提案します。「オープン保育」をしませんか。大学でよく行なっている「オープンキャンパス」の保育園版です。保育園の取り組みや保育を期間を決めて、学生に参加してもらう試みです。うちでは以前から「保育ボランティア」と称して、保育に参加してもらっていますが、お互いの理解を得るためにはとても良いシステムだと思っています。採用後の「こんなはずではなかった」という不幸な出来事が起こらないためにも必要なことだと思います。まあ、「うちの保育園は大丈夫」と思っているところが多いようなので、脚下されると思いますが、お互いの利益は大きいのではないでしょうか。保育園は、「子ども」がいて「保育士」がいて微笑みながら過す場所だと思います。どちらが欠けても「保育園」にはならないのです。