園長のつぶやき

こんにちは 長坂保育園の園長です。日々成長する子ども達を見ながら、日頃の思いを綴ります。

保育の未来・プロジェクト 2

2011-11-21 16:19:47 | 日記

園長です。

 青森でもう一つ強く言ったことが有ります。それは人材育成の問題です。少子高齢化のために保育士を目指す若者が少なくなったと言うことです。昨年は地元の養成校に呼ばれ、保育園のPRをしてきましたが、養成校でも地元に残らない学生が増えていることを嘆いていました。今までは買い手市場でしたが、今は採用したくても保育士がいない状態です。保育士を目指す学生は地元より「都会」志向が多いそうです。地元では3月にならないと採用が増えません。しかも期限付きの採用がほとんどです。他方、都会からの採用は10月から始まり、ほとんどが「正職員」です。正職員・・・懐かしい響きです。雇用期間がない採用は、学生にとって大きな魅力なようです。これでは勝負にならないのは目に見えていますが、地元の人材が地元で働けない状態と言うのは辛いものがあります。今、日本では保育士資格がある人の3割しか職についていないそうです。子育て、介護などで仕方がないのかもしれませんが、保育士に魅力がなくなってきているのかも知れません。八戸でも「いつでも募集すれば何人でも応募がある」と言うことはなくなりました。4月の入園式までにやっと探した、という園長がほとんどだと思います。この先、地方の保育園の保育士不足は益々顕著になると思います。今のうちに対策を立てないと大変なことになりそうです。もっと私達は養成校と話し合い、お互いの利益のために協議したほうが良いのではないでしょうか。

 また、学生達が保育士を敬遠する理由がもう一つあるそうです。それは、保育実習で保育に希望が持てなくなった・・・と言うことだそうです。養成校の勉強と実際の保育との違いも有るのでしょうが、学生が「保育は楽しくない」と思うことが多くなったそうです。我が園も厳しい指導で聞こえているそうですが、厳しいだけで夢を捨てることはないと思います。実習の仕方をもう一度見直して、保育園のためだけでなく、実習生の将来も考えて指導をしていきましょう。私は提案します。「オープン保育」をしませんか。大学でよく行なっている「オープンキャンパス」の保育園版です。保育園の取り組みや保育を期間を決めて、学生に参加してもらう試みです。うちでは以前から「保育ボランティア」と称して、保育に参加してもらっていますが、お互いの理解を得るためにはとても良いシステムだと思っています。採用後の「こんなはずではなかった」という不幸な出来事が起こらないためにも必要なことだと思います。まあ、「うちの保育園は大丈夫」と思っているところが多いようなので、脚下されると思いますが、お互いの利益は大きいのではないでしょうか。保育園は、「子ども」がいて「保育士」がいて微笑みながら過す場所だと思います。どちらが欠けても「保育園」にはならないのです。

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保育の未来・プロジェクト

2011-11-21 15:06:20 | 日記

園長です。

 昨夜は、暴風が吹き荒れものすごい轟音が響いていました。地震でもないのに「ギシギシ、ピキピキ」と音がして、心騒がしい一夜でした。その後の低気圧で寒気が入り込み、朝は厳しい冷え込みになり、少しだけ雪が白く残っていました。いよいよ本格的な冬がやってきます。私の心と財布はいつも真冬ですが、保育制度もいよいよ真冬の時代がやってくるようです。

 11月18日に青森県保育連合会主催の「保育の未来・プロジェクト」フォーラムという研修会がありました。県保連の佐藤秀樹会長による「こども・子育て新システム」の話は、一足先に真冬の冷気を浴びせられたようなショッキングな話しでした。今年中には国会に法律を提出したいそうですが、TPPのように拙速で説明不足の状態で出して欲しくないと思います。

 さて、2部ではパネルディスカッション「私の園の現在(いま)、そして未来(あした)への展望」という議題で3名のパネリストを向かえ討論会が行なわれました。その中の一人が、私でした。一応、都会の比較的裕福な地域代表として選ばれたらしいのですが、会場の雰囲気は、私に対して真冬のような冷気を投げつけていたように感じられました。私の「保育園は選ばれるようになった」という言葉に「保育園には競争原理はなじまない」と反論され、少しショックを受けた園長でした。青森県は「少子化」が進んでおり、特に郊外型(郡部)の保育園は定員割れで経営が大変なようです。それに比べると、我が園は立地もよく、職員も思いやりがあり、園長だけが一人浮いている状態です。風当たりは相当強かったのですが、自分の考えていることは少しだけでしたが主張してきました。一番訴えたことは、「保育園は情報公開が少ない、下手だ」と言うことです。今までは「目立たないことが美徳」でしたが、時代の流れは「情報公開・PR・自己責任・説明責任」の方向に向かっています。今さら「護送船団方式」には戻らないと思います。右肩上がりの日本ならいざ知らず、右肩下がりの今の状況では、変化を好む好まないに関わらず、変わらなければならないことは明白です。少子化がもたらした弊害はものすごく大きな社会問題になりました。雇用の問題、年金の問題、地域格差の問題・・・数えるとキリがありません。保育園、幼稚園もここ2,3年が勝負の年になりそうです。今までの制度がいいに決まっていますが、これからはそれではやっていけないのです。だから変わらなければいけないのです。家庭が変わりました。通信手段が変わりました。保育と教育も変わらなければいけません。私達は変わる、あるいは変える勇気を持たなければならないと思います。・・・なんて書くとすごい改革者のように聞こえますが、実は自分が一番変わることを恐れているのです。先が見えない変化ほど不安なことは有りません。でも、自分が信じる道を進むしかないのです。すべては「子どもの最善の利益」を保証するために。子どもを大切にしない国の未来はありません。子どもが生まれない国は滅びるのです。日本がそうならないように願いたいと思います。

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