園長です。
最高気温が20度に満たない中での園外保育。夏の行事だったはずですが、半そででは寒すぎる異常気象の中で行われました。全員寒さ対策を十分にして行ったのですが、本当に寒い夏の行事でした。
園外保育の目的は、普段保育で取り組んでいる「食育」「体力作り」「共同作業」「仲間つくり」「自然・環境への興味・関心を深める」の実践にあります。普段の生活では味わえない自然の中での活動は子供たちにも職員にも大きな刺激になります。特に最近ではめったに口にすることがない「川魚の串焼き」を食べることは子供たちにとって食の大切さを理解するためにはとても良い経験になります。その前に捕獲があります。原始的に素手で魚を捕まえ、魚の素早さやぬるぬる感を経験します。触れない子もいますが、中には「長坂の熊」とみんなから言われるほど「掴み取りの天才」が現れたりします。ただ追いかけるばかりでは捕まえられません。魚の通り道を予測し、じっと現れるのを待ち、一撃で仕留めます。今年は見事7匹ゲットした強者が現れました。コツは「頭としっぽを同時に掴む」ことです。1匹も取れなかった子もいますが、「とらざる者食うべからず・・」ということはありません。その後、私が40数匹分のはらわたの処理を行うのですが、これがまた大変。中腰で作業をするので腰が痛くて痛くて・・・。それでも腹を裂き、えらと血合いを取り除き、竹串に刺し、化粧塩を降ります。途中で駆けつけた職員にコツを伝授し(最近の若い女性はさばき方はもちろん、化粧塩の仕方も知らないようです。まして「踊り串」といわれる魚が泳いでいるように見せかける串の打ち方はほとんどできません。)私は炭火を起こしに行きます。職員に「魚の串刺し」と「炭おこし」どちらがいい?と聞くとほとんどが「魚の串刺し」と答えます。そうなんです、最近の若い女性は「火を熾せない」のです。スイッチ一つで点火する文明の利器のおかげで、火を熾す必要がないからです。何年か前の秋、拾ってきた落ち葉で焼き芋を焼こうと落ち葉炊きをしたのですが、火がつかない。新聞紙や灯油まで投入して火を熾そうとしたのですが、ダメでした。ナ~ゼだ。それはね「葉っぱが黄色や赤くなっただけで生の葉っぱだったのです。枯葉はどういう状態かがわからないらしいのです。これは大都会の人の話ではありません。日本のド田舎、自然に囲まれた田舎での話なのです。便利さで忘れ去られた「技術」や「コツ」はたくさんあるようです。一度文明の利器のないところでサバイバル競争してみたいものだと思います。
話がだいぶそれました。今回一番感動したのは「星空」でした。何年振りかで「満天の星」を見ました。そうそう、ここは日本では有名な場所なのです。何がって・・・実はUFOの目撃が非常に多いのです。私たちもここで一度だけそれらしき「もの」を目撃しました。飛行機とかライトでは説明のつかない「不思議な動き」をしていました。ここは「キリストの墓」があったり「石神のピラミッド」があったり、不思議がたくさんある場所なのです。いつも下ばかり見て暮している私には久しぶりの「見上げてごらん夜の星」でした。きれいな星空には子供たちも大満足のようでした。
今回も「牛の乳搾り」を体験したのですが、牛の乳の暖かさ、柔らかさにはびっくりしていました。生の牛を触ることはほとんどありません。しかも図々しく乳まで搾るなんて・・・今年は途中で牛の「脱糞」まで見ることができ、みんな大騒ぎでした。動物はかわいい・・・でも「くさい」ということが十分理解できた子供たちでした。
今年は寒いせいで「クワガタ」や「カブトムシ」は見られませんでしたが、天気が良くなかったので、幼虫から羽化したばかりのセミを何匹か捕獲することができました。フキの葉の裏側にセミの抜け殻があり、飛ばずにフキにしがみついていたのです。いつもだと私の出番になるのですが、今回は昆虫大好き子供たちだったので、採り放題。子どもはかわいいのですが、取り合いになると自分本位になります。まだまだ「見守る保育」も成果が出ていないのかなあと少し考える場面もありました。それでも大自然の中で十分体を動かし、仲間同士の意識を高められたことはとても意義がある園外保育だったと思います。体を鍛えることで一番効果が上がったのは私だったのではないでしょうか。昨日は9時には眠っていました。ああ、疲れた・・・。