ならまち糞虫館と「にゃらまち」散策
奈良公園には、野生の鹿が1360頭(2018年度 鹿勢調査🦌)生息している
彼等の糞は1日1トン余りになるという。
それらの出来立て、ほやほやが、ばらばらと転がっている風景を目にした方も多いだろう。
ところが、不思議なことに少し時間が経つと、それらが、いつの間にやら、なくなっているのだ。
実はこの糞を掃除しているのは、「糞虫(ふんちゅう)」と呼ばれる昆虫たちだった。
“糞虫”というと、いかにも、汚らしい名だが、ファーブル昆虫記でお馴染みの俗にいう「フンコロガシ」のこと。
奈良を代表する糞虫「ルリセンチコガネ(種名:オオセンチコガネ)」の瑠璃色の輝きは、まるで宝石の様な美しさである。
糞を食べて、食べかすを自然界に還す働きをしており、自然界においても、貴重な生き物といえよう。
ちなみに日本の糞虫は糞をころがさないそうだ。
この糞虫に魅せられ、趣味で研究を続けてきた奈良市の中村圭一さんが、2018年夏、ならまちに私設博物館「ならまち糞虫館」をオープンさせた。
同館はならまち音声館の近くにあるが、細い路地裏にあり、看板もなく、訪問するには、少々、探すかもしれない。
グーグルマップをもってしても、迷ったくらいだから。
土・日曜の13時からのみ開館で、観光客や昆虫ファンが詰めかけ、ならまちの新しい名所になりつつある。
館内は博物館というより、ギャラリーという感じで、スタイリッシュでお洒落な雰囲気。
中村館長は来館者に糞虫のことを話すことが、楽しくてたまらないというふうにみえた。
海外には、角のある糞虫もいる。
糞虫館を出たあと、久しぶりに、ならまちを散策する。
ならまちは「にゃらまち」というくらい、猫と猫ファンが多いまち。
歩いていると、叢に何かクッションのようなものが・・・・。
覗き込むと・・・「安眠妨害しないでくれるかにゃあ!」と睨まれた。