のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

里依子 2

2009-09-28 | 小説 忍路(おしょろ)
 私が帰ろうと言ったのは、当然私も一緒に千歳まで帰ろうということだった。だが里依子の「帰ります」は私を含めてはいなかった。  「私一人で帰れますから・・・」   暗い面持ちで駅の方に向かう里依子に並んで私も歩き始めたとき、彼女は私を見てそう言ったのだ。そのまなざしはとても悲しそうに見えて私は愕然となった。  私は里依子の気持ちを量りかねて、自分が何をしようとしているのかさえ分からなくなってしまっ . . . 本文を読む
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