のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

北大 13

2009-09-03 | 小説 忍路(おしょろ)
 店には先客が一人あって、ひそりと背中を丸め手酌をしながら思いに耽っているように見え、中年の苦さが感じられた。  その男から二席ほどおいて横に座った私は、肴を待ち切れずに出された酒を飲んだ。酒は冷えた体にしみわたるように広がっていき、一日の出来事が自然に思いこされるのだった。  十時ごろには里依子に電話をしなければならない。帰っているだろうか。もしいなかったら伝言を頼まなければならない。その時は . . . 本文を読む
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