北国の街のかりそめの部屋で
ああ あなたは今頃
私のことなど忘れているに違いない
つい今しがた
微かに触れあった肩から
ほのかな温もりが私の心に沁みとおり
暗い底からキューキューと泣くのだ。
静かにしていると
その泣き声が一段と大きくなって
私は思わず立ち上がる。
するとその足もとから
何をすることもない自分に
また気付いたりして。
所在なく落ち着かない私の心に、ふとまた一連の詩句が浮かんできて、私はそれも書き留めた。
書きながらこの詩句は私の気持ちをうまく表しているように思えた。それを繰り返し読んでみた。私の心はスケッチブックに書き留めた言葉と共に揺れた。そしてこれはきっとよく出来ているに違いないと考えた。
すると「お前さんは詩人かね?」と自分をあざ笑う声が聞こえてきた。私は奮い立って「いや、俺は絵を描いて見せる。」と即座にその声に応えた。
だがその気持ちはすぐに萎えて私は悄然とうな垂れるしかなかった。
HPのしてんてん
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