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やがて搭乗開始のアナウンスが流れ、772便に搭乗する人々がゲートの前に列を作り始めた。その行列を見て私の煮え切らない心が一気に危機感に染まったのである。
これはおかしい!!荷物のことだった。直感的にそう思った。
列をつくっている人々の誰もが皆荷物を携えているのだ。どこかに荷物を受け取るところがある!!そうでなければ彼らがそれを持っているはずはないのである。
もはや見栄も何も言っていられなくなり、顔面に多量の血が噴きあがってくるのを覚えた。
私はカウンターに近寄り、確かめようとした。カウンターには3人の係員が立っていたが、皆てきぱきと働いており、声をかけようとするタイミングがなかなかつかめない。右の係員に質問している客が去るのを待っていると、左の係員がフリーになった。私は急いで左の方に体を向ける。声をかける一瞬のためらいが次の客を呼び込んで、左の係員は私のことなど気付きもせずにその客と話し始める。諦めて右の係員を見ると、もう別の客と話している。3人目の係員は私に背を向けて向こうに立っている。
私は待ちきれずに、結局一番遠い係員に声をかけた。
「あの、荷物はどこで受け取るんでしょうか?入り口で取られたのですが・・・」
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