仮面
2015-07-29 | 日記
いつだったか、何年も前に私は自分の顔にアルミホイルを押し当てて、自我の仮面をつくったことがある。
つくり方は簡単で、顔に押し当てたアルミホイルの形を崩さないように注意しながら裏面にティッシュペーパーを貼り重ねていくだけ。
それが固まったら、顔の輪郭に沿って針金の輪をつくり、それを芯にして面の縁を創っていく。
後は色塗りに3色のスプレーを使って、三方向から吹き付けるだけ。裏は黒のペンキ。
この仮面をアトリエにかけて、30年近くは眺めてきただろう。
意識して深く問いかけることはないが、なんとなく目にはいったら、その時の自分に引き戻される。月日が重なって、鼻の部分がつぶれたりしているのだが、なんとなく手放せないものだった。
その私の過去が、ある日仮面を通してスパークする電撃のように今の私と繋がった。
ベリーダンスの仮面が私と繋がり、その仮面が私の過去と繋がった。そこに私の自我仮面があった。
何のためにつくったのか、当時の私にはわからなかったが、
いま、私はのしてんてん絵画を通して、その意味が稲妻のように心に響く。
過去は過ぎ去ったものではない。
それは今、この瞬間に含まれているのだ。
そしてそれは未来についても同じことが言えるだろう。当時の私の今は、未来の私の今につながっている。
時間は未来と過去が今に統合されることで確かな存在となる。
瞑想すると、わたしという実感が広がる。その実感が過去に広がり、未来に及ぶ。
自分という存在は、なんと大きな垣根のない宇宙そのものだということがわかる。
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