バチバチとぴょんたの体から火花が走った。
「く、苦しい!」ぴょんたの体は見る間に緑の海に分解され始めた。
「ぴょんた、だめだ、すぐ帰って来い!」艦長が叫んだ。
「ぴょんたが死ぬでヤす」
「ぴょんた、戻ってくるだス!」
スケール号の中は悲鳴のような声が次々と上がった。
「さあ、ぴょんた、頑張るのです。あなたの心でピピの心の扉を開けるのです。」ムカエルがぴょんたに言った。
ぴょんたは、自分の体が分解されて行く苦しさに、歯を食いしばって耐えた。そしてしっかりと立ち上がりピピの方を向いた。
「ピピちゃーん」ぴょんたは力を振りしぼってピピの名を呼んだ。
どす黒いピピのエネルギーが一瞬動きを止めた。
「ピピちゃーん、ぴょんただ、ウサギのぴょんただよーっ。」
どす黒いかたまりがスローモーションのように動いて、ピピの姿に変化していった。赤かった服はほとんど黒になっている。ピンクの靴もリボンも、紫色に変わっている。顔はほとんどみにくく崩れていた 。
「ピピちゃん、助けに来たんだよ。頑張るんだ・・・」ぴょんたの体はどんどん分解され、最後の言葉はもうほとんど聞き取れなかった。そしてそのままぴょんたは跡形もなく崩れ落ちてしまった。
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