
雨が朝から降り続いている。
ビニール傘をさして浜にいくと、さすがに今日は人気がなく、
雨ものんびり降ってくるように思えた。
人がいないという意識が開放感を感じさせるのは、私固有の性癖なのだろうか
子どものころからいつも
周りの人に気を使って生きてきた。
嫌われないように・・・、それが無意識の中にいつも潜んでいた。
今もそうなんだということが、
この開放感で理解できる。
人に嫌われないように生きる。それが子供時代の生活の方便だった。
その思いが自分の周りにたくさんの虚飾を作り上げ
本物の自分と区別がつかないほど作り上げた自己で固まった大人になった。
今になって、
その虚飾の自己がカラカラと空虚の音を立てる。
何もない自分に気付く。
ビニール傘をたたく雨の音、その真実の音に身を託して、
黙々と草を抜き始める。
濡れた服は重さをまして身体にまとわりつく。
その真実に陶酔する。
私は本物の自分の中にいる。
私は今生きている。
この濃厚な生命感を社会の中で忘れて久しかったのだ。
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