ナウイズム旗揚げ展がいよいよ始まります。
本日6日搬入
7日飾り付け
8日オープン
11日アーティストトーク
12日中途帰阪
と言いうことで、当ブログはお休みです。
その間を利用して、予約機能を使って7日間、童話スケール号 第一話 をお届けします。
毎朝8時公開にセットしておきますので、随時お楽しみください。
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スケール号の冒険 (第一話)
1 ケンタのお使い
スケール号は世界ではじめてつくられた、スケールの世界を探検する宇宙船。
のしてんてん博士が考えた夢の乗りものです。
船長はケンタ、6歳の男の子。 昨日までお母さんに甘えて、一人でお買い物も出来なかったのに、今日は赤い帽子をきりりとかぶったスケール号の艦長です。
ケンタは森で会ったスケール号の顔をはっきり覚えています。
横長のおもちのような顔に大きな目が二つ、もぞもぞ動いたやぶの中からケンタを見つめていたのです。
初めてのお使いで、道に迷った森の中、泣き出しそうなケンタの顔をスケール号はペロリと優しくなめたのでした。
「ゴロにゃ―ン」
森の小鳥達にはそんな風にしか聞こえなかったのに、ケンタにははっきり聞こえました。
「元気をお出し、艦長さん」
「えっ、艦長さんって?」
「艦長が泣くなんておかしいよ、さあ早く私に乗ってごらん」
スケール号はそう言うと前足をかがめて顔を地面につけました。
するといつの間にか滑り台ほどの大きさになった猫のひたいに、入り口が開いて階段がおりてきたのです。
ケンタはビックリしましたが、でもなんだか艦長になった気分がしてきました。
気がつくといつのまにかケンタの頭には赤いツバ付き帽子が載っています。ケンタは涙を拭いてスケール号の階段を登って行きました。
「ゴロにゃーン」
猫の鳴き声がケンタにははっきり意味のある言葉に聞こえます。
「ようこそ艦長様、私はスケール号。艦長の命令でどんなところにも飛んで行きます。」
「でも一人じゃさみしいよ。」
ケンタが心細そうに言うと、
「わかりました、仲間のいる所に行きましょう。」
スケール号は音もなく飛び上がると、森を抜け空の白い雲の中に吸い込まれていきました。
「ゴロにゃ―ン!」
森にはスケール号の声だけがこだまとなんて、ひびき渡りました。
2 仲間達
ケンタを乗せたスケール号は、音もなく空を飛び、まるでネコが高いところから飛び降りるように白いビルの前に足をかがめて降りてきました。
そうです、スケール号はネコ以上にネコらしい宇宙船なのです。その体は銀色に輝いています。
ケンタはビックリして、スケール号の窓から外をみました。スケール号の目がそのまま窓になっているのです。
窓の外には、子供達が親しげに手を振ってケンタを見上げていました。
よく見ると、手を振っているのは白いうさぎと茶色のモグラ、それにぬいぐるみのようなナマケモノでした。
「ゴロにゃ―ン」
スケール号が甘えるような声をあげて頭を下げると、ひたいの入り口が開いて3匹が元気よくスケール号の操縦室に入ってきたのです。
「艦長!ぴょんたです」
いきなり白いうさぎがケンタに向って敬礼しました。
「ああ、ご苦労」
ケンタはうれしくなって、チョッと威張ってこたえました。前にテレビで見たカッコイイ艦長の事を思い出したのです。
「艦長!もこりんといいヤす。よろしくお願いしヤす」
もぐらのもこりんが体を反らして今にもひっくり返りそうに敬礼しました。
「よろしく」
ケンタはもぐらに向って敬礼を返しました。
「ぐうすかだス、艦長。」
ナマケモノはまくらをわきに抱えたまま敬礼しました。
「私が艦長のケンタだ。みんなよろしく」
ケンタはもうすっかり艦長になりきっています。
ケンタと3匹の隊員達はお互いに握手すると、不思議な事にみんなはもう生まれた時から一緒にいる友達のようになったのです。
「ゴロにゃ―ン」
スケール号がうれしそうになきました。
3 のしてんてん博士
「私が艦長だ。君たちはボクの言う事を何でも聞かなくてはいけないよ」
艦長のケンタが胸を張って言ったときでした。
「みんなそろったかね」
突然スケール号の操縦席に老人の声が聞こえてきました。
皆は声の方を捜そうとしましたがどこから声が聞こえてくるのか分りません。
そのうちに床がボーっと輝きだして光のカーテンができると、そこに四角い帽子をかぶった老人が映し出されたのです。
「わしはのしてんてん博士じゃ。君たちの乗っているスケール号はわしが作ったものじゃ、乗り心地はどうかね。」
「でもどうして操縦したらいいのか分かりません」
ケンタがスクリーンの博士に向って言いました。
「では説明しようかの。スケール号はどんな所でも自由に旅行できる世界一の宇宙船なんだが、操縦は簡単だ。どんな事でも命令すればスケール号はそのとおり動いてくれるのじゃ」
「そんなことでいいんですか」
ケンタは思わず聞いてしまいましたが、よく見れば操縦席といっても赤いレバーが一つあるきりで、他にややこしいスイッチなどはどこにもみあたりません。
「そうとも、ためしにその赤い操縦かんを握って何か命令して見るんじゃ。ただしスケール号は艦長の命令しか聞かない。他のものが命令すると、命令とは反対に動くから気をつけるんだ。分ったかの」
「分りました博士、ではやってみます」
ケンタはそう言って赤い操縦かんを握りました。
「スケール号、飛べ!」
艦長が力いっぱい叫ぶと、スケール号は音も無く飛び上がりました。
博士のいるビルが見る見る小さくなって、あっという間に地球の外に飛び出しました。窓から青ボールのような地球が見えています。
「すげー」
もこりんが目を丸くしました。
「地球の外まで飛び上がるなんて、ボク初めてだよ!」
ぴょんたも興奮して叫びました。
ぐうすかは眠そうな目をパッチリ開いたので危なく目玉を落としそうになりました。
「よし、元のところに降りろ」
艦長はワクワクしてスケール号に命令しました。するとスケール号は一瞬で白いビルの前まで降りてきて静かに着地したのです。
「どうだね、分ったかね」
再び博士の声がしました。
「素晴らしいです」
ケンタはまだドキドキした胸をおさえて答えました。
4 ぴょんたのいたずら
静かに着陸したスケール号の操縦室の中で、艦長も隊員達もなんだか夢を見たように立っていました。
モグラのもこりんは空に飛び上がったことなど一度もありませんでしたし、ナマケモノのぐうすかは木の枝にぶら下がって眠る事しか考えていませんでしたから、もう本当にビックリしてしまったのです。
うさぎのぴょんただけは、少し違っていました。
というのも、ぴょんたは自分の長い耳をパタパタ動かして空を飛ぶ事が出来たからです。
でももちろん山から山に飛んでいくぐらいでしたから、宇宙まで飛んでいくなんてぶったまげて、耳がびりびり震えてしまったのですけれど。
「すげー」
ぴょんたの心の中ではまだそんな声が大きく響いていました。丁度そのとき、艦長が操縦席を離れたのです。ぴょんたは操縦席に近寄って座ってみました。
目の前に赤い操縦かんがあります。
艦長の真似をしてそっと操縦かんに手を乗せると、さっきの地球やお日さまの姿が思い浮かんできて、自分もやってみたくなったのです。
「スケール号!飛べ!」
ぴょんたは我慢できずに、スケール号に命令しました。
艦長の声よりも、もっと大きな声で叫んだのです。お日さまのもっと近くに行ってみたかったからです。
でもそのとき大変なことが起こりました。
「ニャゴー!!」
スケール号が喉からしぼり出すような声を上げたかと思うと、窓の外が真っ暗になったのです。
ガタガタとスケール号が揺れて、立っていられないほどの大地震です。
地震はますますひどくなるばかり、もこりんは投げ出され天井にぶつかって跳ね返りました。
「た、助けて!」
「ひえー、死にたくないよ!」
もこりんは泣き声を上げました。
「みんな、テーブルの足にしがみつけ!手を離すな!」
艦長が叫びました。
それでもスケール号はおさまりません。
ガタガタ、ぐらぐら、ときおり悲鳴のようなスケール号の鳴き声が聞こえます。
真っ暗になった窓の外は何も見えません。
「助けてー」
ぐうすかがテーブルからほりだされて床を転がっていきました。
「いったいどうなったんだ」
艦長がスケール号に向って叫びました。
5 地球にもぐる
「艦長!スケール号は地面をもぐってるでヤす」
もこりんがやっとイスの背にしがみついて言いました。
「なんだって」
艦長がテーブルの足にしがみついたまま聞きました。
「ここは地面のしたでヤす。見てください、窓に石や岩が押し付けられて流れていくでヤす」
なるほどもこりんの言うとおり。
スケール号の窓をよく見ると、たくさんの石ころや岩や、それに時々恐竜の化石などがごうごうと流れていくのです。
「どうして地面なんだよ」
ぴょんたが泣きながら言いました。
そのうちにスケール号の地震はおさまって来ました。
でもその代わりにスケール号のの中が焼けるように暑くなんてきたのです。
窓の外が真っ赤に変わりました。
そうです、スケール号はいつのまにか地面を抜けドロドロに溶けた溶岩の中を泳いでいるのです。
「もうダメだス、暑くて死にそうだス、艦長何とかしてください」
ぐうすかが汗をたらたら流しながら言いました。
「スケール号、戻れ!戻るんだ!」
艦長がどんなに命令してもスケール号には伝わらないのでしょうか。
「ニャゴー!ニャゴー!」
スケール号は狂ったように走り続けるばかりです。突然スケール号の目の前が緑色に変わりました。
「艦長、ここはきっと地球の真中でヤす」
もこりんはモグラですから地面の中は詳しいのです。
でももちろん溶岩を突き抜けて地球の真中までやってくるモグラなんていません。
もこりんの声は恐ろしさのためにふるえています。
「艦長、助けてください」ぴょんたは耳をたらして言いました。
「スケール号、何とかしろ」
艦長が叫びましたがスケール号に止まる気配もありません。
「ニャゴー!ニャニャゴー」
スケール号は再び真っ赤な溶岩の海の中に入っていきました。
(つづく)
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本日はたぶんtラックの中
はるひ美術館による北籔和展(ナウイズムの夢)開催します
2017/2/8~2/26
ブログ内の関連記事
9時予定の出発が急遽のドライバー交代で3時間遅れ。
やっと来てくれた軽トラが、固定式のフード付で、間口が狭く、S100号が入らない。
えぇ~
何とか対角で斜めにしたらぎりぎり入る。それが4枚。
3枚まで入ったが後一枚が入らない。
角度を変えて、いろいろ試していたら、奇跡的に一箇所入るところがあって、セーフ。
44枚のS30号はびっしり収まったが、またしても今度は荷台の奥行きが、120号を納めるには足らない。5センチほどはみ出して、無理に入れたら後ろのドアが閉まらない。
ええぇ~
これ運べなかったら、展示プランが水の泡、目の前真っ暗。
窮しているとさすがドライバーさん。
今度は荷台の上下に対角の余裕を見つけてくれて、収まった。
思わずドライバーさんと抱き合って歓声を上げる。
荷台はほとんど隙間なく、パズルのような収納完成。これで1時間ロス。
さて道中、彦根あたりから暗雲立ちこめ、雨が降り始め、それが雪に変わって、吹雪に!!
フロントガラスに大きなボタン雪が次々へばりついてくる。視界ほぼゼロ。
これも神様の祝福か。
それが米原を過ぎたころにはうそのように空が明るくなって、西日も差してきた。
美術館からは、どうなっていると催促の電話。雪がといっても信じてもらえない。その理由がここに来てわかった。
あせるドライバーさんには、私の道中はいるもこんなもの、台風と鉢合わせして、飛ばされそうになったこともあったと笑い話をしながら、ようやく着いたのが5時過ぎ。
いくつもの難関を超えて、まるでスケール号の冒険を終えたような、ホッと感が今日一日の最後でよかった。
ゲストハウスわらび
1泊25000円で、味噌汁ほか飲み物自由。シャワーOK。PC備え付け2段ベット風個室。私には天国。
避難経路完璧で、閉塞感なし。
気に入ったので、宣伝しておきます。
PC使えのはよかった。
ではまた、明日。
絵を運ぶだけでこんな大冒険?
事実は小説より奇なり。
しかし ナンでまた、こう立て続けにトラブルが起きるのでしょうか?
でもって冒険活劇の主人公のごとく(笑)、ギリギリセーフで助かるのでしょうか?
さすが、神ってる。
しかしそれはこれから始まる新たな冒険の、幕開けに過ぎなかった……なんちって。
オオ、怖い(笑)。
おはようございます!
『奇跡ののしてんてん道中記』
スケール号の冒険も
あっけにとられるほどの
冒険が始まったのでしょうか
スタートからの難関克服の後
暗雲立ち込め雨となり
雪に転じて吹雪となり
視界0転じて快晴となり
この天の気の激変は
まさしく天の洗礼☆
神様の祝福としか
考えられません^ね^
禍を転じて福と為す!
ピンチはチャンス好機到来絶好調精神で行きましょ^う^♪
わたくしなどは
常にピンチ!
ピンチピンチチャプチャプランランラン♪
常に好機到来絶好調なのです^よ^
今日も大変お忙しいことと存じますが、
忙しいの忙とは、心の亡!
のしてんてん画伯ののしてんてん心
『ノ し 、、』の心は、
常に全展開(全天開)中
亡する余地などありません☆
今日もどうぞ善き日をお過ごしくださいませね♪
いつもありがとうございます。
感謝∞8∞八方拝で^す^
今中ほどですが、いいと思いますよ。
専門的なことはわかりませんが、要は心が文体から離れないで物語の中に連れて行ってもらえるという意味で、面白いですね。
後半どうなるのか
今日は目が疲れたのでここまで
私の珍道中は、どうも自分が招いている気がしてなりません。
学芸員さんたちもハラハラして待っていたようで、奇跡的に今日飾りつけができたとこを喜んでくれました。
その顛末は、またコメント欄で報告しますね。
元気の出るコメントいただきまして、ありがとうございます。
それではお休みなさい^ま^せ^
ほんとお疲れ様でした。
こんなに全身全霊お疲れ様になることって
滅多にないことですよね。
やはりのしてんてん画伯が、
新境地に進まれる前の洗礼だとおもいます。
でも、飾りつけが出来て良かったですね☆
そしてみなさまが喜んでくださったこと感動ですね☆
ぐっすりおやすみくださいませ☆♪
ゆりかごの
赤子に似たり
夢詩音
(のしてんてん画伯)
宇宙ゆりかごの中で
ゆらゆらごゆっく^り^♪
個室とはいえ、周りから寝息が聞こえます。
それに聞き入っておりますと、ふとした気づきがやってきました。
自然という言葉です。
聞こえる寝息はみな一様にリズムを取っています。頭脳が眠って、体は命のリズムをとっている。自然の風景です。
すると同じリズムを取っている自分に気づきます。
私は自然だったのだと、あらためてしみじみ思わされました。
朝の草引きはできませんが、ここもやさしい自然に満ち溢れています。
今日も一日、よき日でありますように。