この度、さるお方からドンとデーターが送られてまいりました。
皆様ご存じ台所のマドンナ、かわかみれい氏からの、
「喫茶のしてんてんへようこそ」第二幕の開幕を告げるお便りです。
ご来場の皆様、開演間もなくでございます。お静かにお席に戻られますようお願い申し上げま^す^。。
照明がスーッと引きまして、さーっと緞帳が上がるかと思いきや、
その緞帳の前で、何やら始まりました^よ^
(今回は7回に分けて連載いたします。お楽しみ下さいませ)
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『 喫茶・のしてんてんへようこそ』第二幕(幕間) かわかみれい作↓
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≪幕あい≫
春と夏のはざまにある蒼い宵。時折、風が強く吹く。
芽吹きの匂いが、昼間のけだるい熱気を残した薄闇の中にこもっている。
柔らかな若葉は気まぐれに吹く風に強くゆさぶられ、か細い声をあげる。さながら、鬱屈からの解放を望みながらも、解放され切るのをおびえる気弱な少年のように。
月が美しい。
今日は満月なのだろうか。
角をひとつ、曲がる。
平屋の古びた建物が見えてくる。
前世紀の初頭、遠い国から来た建築家に指南された設計士が作ったのだろうか。実用重視でありながらどこかしら優美なその建物は、今、喫茶店として使われている。
扉も窓枠も飴色を思わせる使いこまれた木製。
角もなめらかなそれらを、月の光が蒼く照らしている。
時折、風が窓をゆらす。
光をゆがませてしまう古い手法で作られた窓ガラス越しの月光は、まろやかで優しい。
その優しい月光が照らし出す室内には、丁寧に磨かれた木の床とテーブルセット。
機械仕掛けのレジスターと、古いアップライトピアノ。
テーブルの上にはまろやかな曲線の大小のオカリナ、そして鈍く光るサクソフォン。
不意に楽器たちが一斉に鳴る。いたずらめいた忍び笑い。
いや……すべては幻聴。
月の光が織った気まぐれ、幻にすぎない。
しかし、ではこの残響は?
サクソフォンのそばには黒の譜面台。素人オーケストラで使われるような、組立て式の素っ気ない譜面台だ。楽譜が幾つか、無造作に乗せられている。
まるで熟した木の実が落ちるように、譜面台から楽譜が2~3枚、静かに落ちた。
ガラス越しのやわらかな月の光が、そのタイトルを照らし出す。
『One more time, One more chance』
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音もなく緞帳が上がる
第二幕『One more time, One more chance』の開幕で^す^
(次回へ続く) 次を読む
第一幕から続き、さらに力強く喫茶店の様子が描かれています。
「喫茶・のしてんてん」の正体が垣間見えるかもしれませんよ。
ご期待下さい。
むっちゃんマスタ、まだ来てませんけど、そのうち来てくれるでしょう。
私は野暮用です。
言い忘れましたので、ひとこと。
皆様、おしあわせに^ね^
えーまたやるの?とか、まだやるの?とかのささやきが聞こえてくる気も致しますけれど、しばらくのお付き合いを。
楽しんでいただきますれば幸甚に存じます☺。
舞台は初夏。
喫茶・のしてんてんも華やぎます。
それはともかく、この『幕あい』。
ナンだかみょーに二枚目っぽい?文章で語っておりますが。
どーしたんスか、かわかみれいさん。ナンか悪いもんでも食いました?と、他人のふりして訊いてみたくなりますなあ。
ご安心(笑)下さい。
ずっとコレで突っ走る訳でもございません。
これから始まるこの芝居。
初夏の午睡のささやかな夢、とでも思っていただけますれば、それで幸せでございます☺。
……『真夏の夜の夢』、のパクリみたいな口上デスネ➰。
それでは、また。