川という言葉を思い描いてください。
春を連想させるかもしれません。めだかや虫たち、水車や草花、森の木陰。川という言葉からそれに連なる様々な言葉が呼び起こされ、風景画のように、川のイメージがふくらみますね。
その「川」という言葉がなかったらどんなことが起こるでしょうか。言葉がなくても川の流れがなくなる訳ではありませんね。
しかし「川」という言葉が失われると、私達は水の流れに対して川という認識を持つことは出来ません。
代わりに「水の流れるところ」という認識は出来るでしょう。
では「水」「流れる」「所」という言葉が失われたらどうなりますか。
液体が動いているという認識しか生まれませんね。
ではさらに、「液体」「動く」という言葉が失われたらどうでしょう。
何かがあるという認識がかろうじてのこるのみです。
さらに「何」「ある」という言葉がなかったらどうですか。
私達はただ、「これ」という意識で、川の流れを見ているしかないのです。
「これ」というのも言葉です。
その言葉を失うと、私達の意識に在るのは光だけです。
実際に川のある光景を目にしていながら、世界を区分できずにただ光を感じている存在になってしまいます。
言葉の大きな力がわかっていただけるでしょうか。
言葉をなくすることで、川を目にしても認識できない状態をイメージしてください。あなたのイメージの世界はどのように変化しますか。その変化を体験していただきたいのです。
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