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札幌の駅に着いたのは6時を過ぎた頃だった。私は預けておいた手荷物を受け取って、駅の案内所に入って行った。宿をとらねばならなかったのだ。
このあたりに近く安いところ、そういう条件を伝えると、それならここがいいと思いますと係員はこたえ、私がそれでいいと言えばすぐに電話で確認を取って予約券を渡してくれた。そして彼はホテルまでの道順を図を書いて示し、丁寧に教えるのだった。その態度にさりげない優しさが感じられて私はこの中年の男性が好きになった。素朴な人の心の触れ合いが私を暖め、暮初めた札幌の街にまで愛着を感じた。
教えれらた宿はビジネスホテルで、ちょうど北大の正門に面した道路の一角にあった。
札幌では、民宿のようなものはなく、安い宿と言えばビジネスホテルなのだと、いつだったか里依子が私に教えたことがあった。ホテルを目の前にして私はそんな事を思い出していた。
ホテルに落ち着くと、急に空腹が襲ってきた。今日は朝からパンを二つ食べただけだったことを、私はその時になって思い出した。
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