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複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

スケール号の冒険25

2008-06-17 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
「ピピ、頑張るんだ。」ぴょんたが叫んだ。
「スケール号であの黒い海の上空まで飛んで行き、急降下してピピをくわえて助け出そう。これが一番いい方法だろう。」
博士がスクリーンに映し出された黒い海の地図をみんなに示しながら作戦を提案した。
「悪魔のエネルギーはどんなものですか。」艦長が身を堅くしてムカエルに聞いた。」
「悪魔の攻撃エネルギーは想像出来ない程強く大きいものです。私達天使のエネルギーの数倍はあるでしょう。気をつけて下さい。」
「分かりました。みんな用意はいいか。」
「いいだス。」
「いいでヤす。」
「行きましょう、艦長。」
「スケール号、黒い海の真ん中まで飛んで急降下だ。そこでピピを救出する。」
「ゴロニャーンニャン」
スケール号は空中を走るように四本の足を動かして飛び始めた。やがてピンクの光が真下に見えた。スケール号はそこから急降下し始めた。ぐんぐん高度を下げて、ピンクの光が目前に迫った時、今まで変化のなかった黒い海が突然動き始めた。
黒い海面がむくむくと盛り上がって、大きな手の形になったのだ。そんな手が何本も現れた。そしてそれぞれの方角から、もうスピードでスケール号に襲い掛かって来た。
「スケール号、右のすきまからあの手をかわせ。」
「ゴロニャーゴ」
急降下を続けていたスケール号が直角に方向を変えた。しかしその方向にも新たな手が生まれた所だった。その手はパーをしてスケール号をさえぎった。スケール号の手はグーしか出来ない。勝ち目はないのだ。反転したスケール号は後ろからやって来た黒い手にがっしりと捕まってしまった。
「ニャゴー」
バチバチと激しい火花が飛んだ。

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