後には静かな緑の海がキラキラと光りながら横たわっているだけだった。その海面に小さくなった白いかたまりがゆらゆらと漂っていた。
「あの白いエネルギーを救出するのだ。」艦長がスケール号に命令した。
「ゴロニャーン」スケール号は海面に近づき、パクリと白いかたまりを口にくわえた。
するとスクリーンに白い羽根をつけたカエルの姿が映し出された。すると白いカエルはそのままスクリーンを通り抜けてスケール号の艦内に姿を現したのだ。
カエルはそのまま力なく崩れ落ち、うずくまってしまった。
「おお、」ぴょんたがびっくりしてカエルに駆け寄った。そしてていねいにカエルの体を調べた。ぴょんたはお医者さんの免許をもっているのだ。
「大丈夫でヤすか。」
「水をもって来てくれないか。」ぴょんたがもこりんに頼んだ。
「がってんでヤす。」
ぴょんたがカエルに水を飲ませると、少し元気が出たようだった。
「あなたは?」艦長がカエルに聞いた。
「わたしは天使のムカエルと申します。助けていただいてありがとうございました。」ムカエルが休み休み息を継ぎながら話した。
「私達はたった今、あなたと黒い雲の戦いを見ていました。あれは何なのです。黒雲はピピを連れ去って行ったように見えましたが。」艦長がたずねた。
「私はピピを救おうとしたのです。ピピにはわだかまりがあります。小さなころの母親の一つの言葉が消化出来ずに、ピピの本流を止めてしまっているのです。それを解きほぐしてやればピピは本流に帰れます。私はそう願ったのです。」
「あなたの力が、紫色の流れをピンクに変えて行くのを私達は見ました。」博士が言った。
「しかし悪魔がピピを魔の国に引き込もうとしているのです。悪魔の力は強大です。あの黒雲はその一部分でしかありません。」
「悪魔でヤすか。」
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