のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

スケール号の冒険28

2008-06-20 | 童話 スケール号の冒険(第3話)

「みなさんの良いエネルギーをスケール号に送るのです。それを集めてスケール号のビーム砲で悪魔を打ち砕くのです。」
「分かりました。」
スケール号の外では、巨大な黒ネズミがスケール号のシールドに弾き飛ばされて歯ぎしりをしていた。
「おのれスケール号め、なめたまねをするチュウのか。そんなことでこのチュウスケ様を倒せると思っているのでチュか。わたチュの力を思い知るがよいチュウ」
チュウスケ悪魔は力を両手のほうに集中させた。海と空間が不気味に振動し始めた。
「スケール号、今度こそ覚悟するがいいチュウ」
めりめりとスケール号が音を立て始めた。
「ニャゴー」
スケール号が悲鳴を上げた。
「さあ早く!」ムカエルがみんなをせかした。
ムカエルの指導で、スケール号に直接コードをつないだヘルメットが用意され、五人はそれを頭にかぶった。そしてみんなは懸命になって良いエネルギーを放出し始めた。
 楽しかったことや、友達に優しくされたこと、困っている人を助けてあげてとてもうれしかったことなど、みんなはそれぞれに心の中で良いことを思い浮かべるのだ。そんな思いから生まれてくる気持ちをスケール号に送る。良い心が多ければ多いだけ悪魔を倒す力になるのだ。
「ニャゴゴー」スケール号の悲鳴が大きくなった。
艦内が激しく揺れた。
それでも五人の集中は乱されなかった。五人の良心が合わさって一つにまとめられると、艦内は白い光で包まれた。


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