構想でいいと思った絵が、描き進むうちに、心打たなくなった。
卵の殻が裂けて外に解放している図柄が気に入らない。
その一瞬の思いを大切にすると、絵を根本からやり直さなければならなくなる。
時間がない。今までの時間が水の泡。いろいろな負の思いが起こって心が鈍る。
鈍った心で絵を眺めていると、どこからかその絵を認める思いが生まれてくる。理屈で絵を丸め込んでしまう。大抵それで失敗した。
そんな絵でも一応体裁は取れる。それくらいの高みにはある。その場所に居座っている。そこから精神がくさっていく。自分を見てそれが分かる。
居座ると心の叫びがなくなる。居心地のいい場所で、叫ぶものがいるはずもない。
だが、絵に叫びがなかったら惨めなものだ。私の目の前にある絵がそれだ。
自分の心を打たないものが、他人の心を打てるはずがない。
三日で答えを出すといった。その答えがこれだ。
這い上がるしかない。もう一度這い上がるしかない。
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