チェコの人形アニメ作家、カレル・ゼマンの大ファンで、「前世紀探検」の中古DVDを買った。
4人の少年がボート遊びして怪しい洞窟を発見、食料や毛布を用意して洞窟の向こうに行ってみたら、恐竜が棲む不思議な世界だった!というワクワクする物語。
1955年の映画だからもちろんCGなどなく、人形アニメの合成と望遠レンズの特性を駆使した特撮なのだが、速度感や映像解像度が脳ミソの処理能力に合っていて実にいい。
トリケラトプスの背中に乗っている場面など、映画館で観た時は気にならなかったが、後日にメイキング映画を観て、実際には奥行きのない描き割りに少年が乗っている所を望遠レンズで撮影しただけと判明して驚いた。
ゼマン映画は少年時代の夢想や夢の再現として共感できて、子供みたいに口をポカンとあけて見入ってしまう。
子供の好奇心を持ったまま、情熱と知恵、技術を持った映像の魔術師、それがゼマン。
我もかくありたし、と思うのデス。