月末の個展にむけ、ヒスイ以外にも北海道で仕入れた赤メノウとアオトラの作品をつくりためているが、赤メノウに苦戦。

出雲のメノウ加工業者がテレビで、「勾玉つくりは完成に何日もかかります」と誇らしげに言っていたが、物は言いようだ。彼らは手研磨なしで自動のバレル研磨機に放り込んで大量生産しているから、何日もかかって当たり前。
今どきのメノウ装身具は、どこの業者もバレル研磨機が主流らしいが、わたしは手作業の研磨こそ勾玉つくりの王道と考えたい。バレル研磨のピカピカな光沢が好きになれないし、研磨で輝きを増してゆく過程が楽しいのネ。
しかしヒスイと同じ研磨だと研磨傷が残ったり、熱膨張ひび割れがおこるので、いまだ最善の加工法がみつからずに迷走中。メノウや水晶を研磨するためのシートも試したのだけど、高価な割に耐久性がなさ過ぎ。

赤メノウの勾玉といえば古墳時代だけど、前期はまだしも中期になると量産のためか粗雑だし形状が好みに合わないのでタカチも試行錯誤中。小さい勾玉ならぽっちゃりした現代風、中型以上のサイズは弥生時代の流麗な定形勾玉タイプが似合うようだ。
天然モノは深紅にちかい朱、オレンジ色、半透明に朱のマダラと、赤メノウといっても個体差はおおきい。色に個体差があると売りにくいから、真っ赤に染めた赤メノウが主流になった訳ネ。つまりは大量生産・大量販売が主流なのであって、わたしは湧き水がチョロチョロと流れている傍流もいいところ。

わたし好みはウルトラマンや金魚を連想する半透明に朱のマダラ。均一でないところが得難い個性と感じている。
主流があれば傍流は玉つくりの王道をゆく、と自分に言い訳しながら苦闘中デス。