二十年愛用した柘植のカンザシと同じ寸法、形状でヒスイを飾ったカンザシを作って欲しいとのご注文。
とても使いやすく、馴染みがいいカンザシだそうだが、既に職人さんが高齢になり仕事を止めてしまったらしい。
人のオリジナルデザインは真似しないという信条だが、この場合は異業種だし意味が違う。
左がお手本の柘植のカンザシ。右が栗材で作った試作品1号。少し大きめなのはヒスイのデザインを決めてから仕上げ研磨するため。
老カンザシ職人さんへのリスペクトとして、寸分たがわぬカンザシを作るための型取りの治具を作った。
最大のポイントは内側のカーブだから、最初に作った治具はカーブ用のテンプレート。
折よく友人のアメリカ人家具職人のラッセルさんがガレージセールをしていたので、栗・欅・花梨などの銘木の端材を大量に分けて貰ってきた。
左は栗材、右が樹種不明だけど恐らくチーク材。
問題はヒスイのデザインですなあ。
固定方法は象嵌として・・・難しいですが・・・薄い勾玉を嵌めるのか?原石そのままを研磨して嵌めるのか?
手ごろな大きさの原石を嵌めやすいように成形して、厚み3㎜くらいに仕上げ、2㎜埋め込んで固定するか?
嵌めるヒスイのデザインさえ決まれば、後はカンザシ上部のデザインを見合った形状に変更すればいい。
本来は最初に全てのデザインを決めてから作り出すのだけど、立体造形は平面描画とは違うので、私は作りながらカタチを決めていくスタイル。
時間はかかるが、実物を作りながらデザインしていくと、想像を超えたモノが出てくるのが愉しみなのだ。
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