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(2023年6月訪問)
趣味の乗り鉄を兼ねた初夏のみちのく一人旅で、私は秋田駅にて列車を下り、25年以上前から私が秋田へ寄るたびに利用する大好きな居酒屋「無限堂」で郷土の料理と稲庭うどんを食べ、ほろ酔いになったところで駅前からタクシーに乗り込んで、いざ向かったその晩の宿は「天然温泉こまち」の宿泊施設「ホテルこまち」です。
遠くからでも目立つ大きな看板が目印のこの施設は、交通量が多い国道13号の沿道に位置しており、卸団地と呼ばれる周辺エリアには大きなロードサイド店舗が建ち並んでいるため、昼夜を問わず比較的にぎやかな立地と言えるでしょう。
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こちらがエントランス。頻繁にお客さんが出入りしており、人気に高さが窺えます。
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受付カウンター付近の様子。いわゆるスーパー銭湯ですので、こちらを利用するお客さんの多くは入浴目的ですが、私のように宿泊利用客もおり、その場合のチェックインも同じ受付カウンターで行います。チェックイン時にスーパー銭湯の館内着とタオルセットを受け取るのですが、そんなところもホテルというよりスーパー銭湯を利用しているみたいな気分にさせます。
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宿泊者限定「夜鳴きそば」サービスなんてあるんですね。私は利用しませんでしたが、なんだか某大手ホテルチェーンみたい。
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館内図をご覧いただいても分かるようにとても大きな施設で、温泉浴場やホテルのほか、食事処や24時間営業のフィットネスジムなど、様々なサービスを内包しています。たしか宿泊客はフィットネスジムを利用できるとのことで、食べ過ぎにより摂り過ぎたカロリーを燃焼したかったのですが、相応の服装を持ち合わせていなかったため残念ながら利用していません。
今回は後述するように私はホテルの客室に宿泊したのですが、ネットカフェみたいな簡易的な個室(カジュアルスペース)もありますので、廉価で夜を越すこともできます。
ちなみに1階フロントから宿泊ゾーンへ行くには、まず1階廊下の奥まで進み、24時間ジムの看板を潜ってから階段を上がることになります(他にもルートはありそうですが…)。まさかそんな構造になっているとは思わず、最初はちょっと面食らってしまいました。
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ホテルのお部屋にはセミダブルやツインなどいくつかの種類がありますが、今回利用した客室はDXダブルベッドのシングルユーズ。広いベッドなので寝相が悪い方でも思う存分寝返り打てちゃいます。
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ビジネスホテルのような感じで備品類もひと通り揃っており、快適に過ごすことができました。なお、お部屋の水回りはトイレと洗面台の他にシャワールームがあります。バスタブはありませんが湯船に入りたきゃ温泉浴場へ行けば良いのですから、そのあたりは問題ないでしょう。
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浴場入口は1階です。各階の移動には階段の他にエレベータもありますので、あまり動きたくない方はエレベーター、私のように日ごろの運動不足が気になる人は階段、という使い分けもできますね。
暖簾をくぐった先にある脱衣室は奥に長い構造で、二段式ロッカーがたくさん並んでいます。なお入館後の受付カウンターで精算用チップがついたロッカーキーを受け取りますので、その番号のロッカーを使用することになります。
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(露天風呂の画像は公式サイトより借用)
浴場内は典型的なスーパー銭湯で、広くて天井の高い室内にいろいろな設備が備わっています。男湯の場合、入って右手前に洗い場があり、シャワー付きカランが約20ほど取り付けられています(うち半数には各ブースを仕切るパーテーションを設置)。内湯の浴槽類は、窓側に並ぶ3つの浴槽のほか、小さなジェットバス、ジャグジー付き寝湯と座湯、そしてシアターサウナやミストサウナ、水風呂など、とにかく多種多様。窓側に並ぶ三つ浴槽は右から、「わらしっこ風呂」、真湯、源泉槽という順番で、「わらしっこ風呂」はその名の通り子供向けのお風呂、真湯の浴槽は非温泉が張られたごくごく普通のお風呂です。そして真湯槽に隣接する源泉槽は内湯で唯一温泉が使用されている浴槽であり、その大きさは横5m弱✕奥行2メートルほどで、浴槽内の材質が黒く、お湯の色あいも相俟って、湯船のお湯がドス黒い石油みたいに見えちゃいました。なお内湯の床には十和田石が採用されていますが、源泉槽の周辺だけ温泉成分の付着によりベージュ色に染まっています。
温泉槽が一つしかない内湯とは対照的に、露天は温泉使用の浴槽がメインとなっています。中央に主浴槽の丸い岩風呂が、その手前に浅い岩風呂(足湯?)が据えられ、いずれも温泉使用です。また脇に設けられた2つの壺湯も温泉が張られており、特にそのうち1つはぬる湯仕様で、そこへ入った私はつい微睡んでしまいました。この他、テレビが設置されている真湯浴槽、そして多くの人が寝転がっている「ねまり湯」や「ごろりん広場」があります。
こちらの温泉は、東北地方の日本海側に点在している塩辛いタイプの温泉で、化石海水のようなしょっぱさと苦汁味、そしてヨード臭が感じられます。またオレンジ色とモスグリーンを混ぜたような色に暗く濁り、湯中では浮遊物も見られます。湯船に浸かるとツルツルスベスベの大変滑らかな浴感が得られますが、浴感が良いからといって長湯すると湯当たりしやすいタイプの泉質ですので、長湯はなるべく避けましょう。どの浴槽でも加温循環消毒が実施されており。かけ流しの浴槽は無いようです。
こうした塩辛い温泉は、夏には汗が引きにくくなるものの、冬に本領を発揮して体の芯までパワフルに温めてくれますから、秋田の厳しい冬には心強い味方になるでしょう。
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地元の方の利用が多いようですが、予算に合わせた宿泊利用もできますので、当地を訪ねた旅行者や出張の方々にも便利かと思います。朝食付きのプランもありますし、夕食だって館内のレストランが利用できますから、なかなか便利な施設です。なお鉄道利用の場合、秋田駅から路線バスやタクシーに乗る他、羽越本線の羽後牛島駅から徒歩15分弱でアクセス可能です。実際に私は翌朝、ホテルこまちから歩いて羽後牛島駅へ向かい、そこから普通電車に乗り込みました。
含ヨウ素-ナトリウム-塩化物温泉 27.8℃ pH7.7 成分総計11.478g/kg
Na+:4063mg(94.51mval%), NH4+:26.8mg, Ca++:62.3mg,
Cl-:6020mg(92.26mval%), Br-:36.3mg, I-:13.8mg, HCO3-:824.8mg,
H2SiO3:98.2mg, HBO2:111.6mg,
(平成26年7月30日)
加水無し
加温あり(入浴に適した温度に保つため)
循環あり(衛生管理のため)
消毒あり(県条例基準を満たすため塩素系薬剤を使用)
秋田県秋田市卸町1-2-3
018-865-0001
ホームページ
日帰り入浴5:00〜24:30
5:00~7:00及び21:00以降→600円
7:00~21:00 平日730円、土日祝850円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★