野趣溢れる温泉の多い北海道の中でも川北温泉は道東を代表する野湯として知られており、最近ではガイドブックでも紹介されるようになったので、どんなところかと実際に行ってみたら、この道中が、酷いというほどではありませんがなかなかの悪路で、行き違い困難なダートを走らねばならないような山の中でした。ガイドブックに載っているからといって安易に来られるような印象を持っていると見事にその想像を裏切られます。狭隘なダートの走行に慣れていない方にはちょっと不向きかもしれません(普通乗用車でも大丈夫ですけどね)。でも敢えてそんな道を走ってまでも訪れる価値がこの温泉にはありました。
標津から斜里方面へ向かい、広大な牧場の中を貫く国道244号線を走っていると、金山橋手前で川北温泉の方向を指し示す標識に出くわしますので、それに従い左折します(根北峠を越えて斜里・網走方面から来るなら右折ですね)。標識が出ている程なので、標津町としてはこの温泉に外来客が来ることについてはウェルカムな姿勢をとっているのでしょう。ここからダートの林道が始まります。先述の通り、ダートで走りにくく狭隘ですが、ほぼ一本道なので迷うことはありません。イケショマナイ川に沿ってクネクネ走ること約5km、看板に従い分岐を右折し、道が尽きるところで目的地に到着です。広い駐車スペースの奥に、ポツンと小さな脱衣小屋や青いトタン仕立ての休憩小屋がありますので、それが終点の目印です。
国道沿いや林道分岐点には、このように川北温泉の方向を指し示す標識や看板が立てられています
左:林道の様子。画像の地点は比較的は走りやすい路面でしたが、路肩が弱いところもあるので注意を要します
右:正面が脱衣小屋、左手が休憩小屋です
ここは元々温泉保養所が建てられていたそうなのですが、天災により崩壊。建物は撤去されたものの、タイルの浴槽だけが取り残されたので、地元の有志の手により源泉より引湯され、誰しもが自由に入浴できるように開放されています。野湯といってもこのお風呂が造られた経緯上、浴槽(および脱衣小屋)は男女に分かれており、ちゃんと仕切りも設けられています(ただし屋根はありません。露天です)。タイル壁の跡も残っていて、ここがかつて保養所の内湯だったことを物語ってくれます。浴槽の脇にはご丁寧にベンチまで設けられており、火照った体を冷ますのにもってこい。野湯というより、れっきとした露天風呂です。
お湯はここから沢の川上へちょっと離れたところにある源泉地帯から黒いホースで引かれています。男湯からは源泉地帯らしき場所が望めます。そのホースは2本あって片方は男湯へ、もう片方は女湯へと導かれていますので、どうやら男湯と女湯はそれぞれ別の源泉のお湯が張られているようです。
そのお湯は湯船では乳白色に濁っており、見た目から想像できる通り、硫黄の匂いが強く漂います。湯口に置かれたコップで飲んでみると、塩辛い茹で卵をスープにしたような味がはっきりと感じられ、これにホウ酸のような味が加わります。キシキシとした浴感。源泉のお湯は熱めなので、もし浴槽のお湯も熱ければ、沢から引かれたホースの水で適度にうすめて下さい。
山の緑に囲まれ、沢のせせらぎを耳にしながら、乳白色した濃い硫黄の露天風呂に浸かる幸せ。ここまで来てよかったとつくづく実感できることと思います。
この温泉を管理なさっている地元の方々に深く感謝します。
左:男湯の様子。画像奥に源泉地帯らしき場所が見えます
右:脱衣所内に掲示されている、手書きの成分表示
含ホウ酸-食塩・硫化水素泉 59.6℃
北海道標津郡標津町川北
24時間入浴可能(ただし11月頃から5月中旬まで冬季は道路が閉鎖)
無料
ヒグマ発生地帯につき、キャンプや煮炊きは禁止
私の好み:★★★
標津から斜里方面へ向かい、広大な牧場の中を貫く国道244号線を走っていると、金山橋手前で川北温泉の方向を指し示す標識に出くわしますので、それに従い左折します(根北峠を越えて斜里・網走方面から来るなら右折ですね)。標識が出ている程なので、標津町としてはこの温泉に外来客が来ることについてはウェルカムな姿勢をとっているのでしょう。ここからダートの林道が始まります。先述の通り、ダートで走りにくく狭隘ですが、ほぼ一本道なので迷うことはありません。イケショマナイ川に沿ってクネクネ走ること約5km、看板に従い分岐を右折し、道が尽きるところで目的地に到着です。広い駐車スペースの奥に、ポツンと小さな脱衣小屋や青いトタン仕立ての休憩小屋がありますので、それが終点の目印です。
国道沿いや林道分岐点には、このように川北温泉の方向を指し示す標識や看板が立てられています
左:林道の様子。画像の地点は比較的は走りやすい路面でしたが、路肩が弱いところもあるので注意を要します
右:正面が脱衣小屋、左手が休憩小屋です
ここは元々温泉保養所が建てられていたそうなのですが、天災により崩壊。建物は撤去されたものの、タイルの浴槽だけが取り残されたので、地元の有志の手により源泉より引湯され、誰しもが自由に入浴できるように開放されています。野湯といってもこのお風呂が造られた経緯上、浴槽(および脱衣小屋)は男女に分かれており、ちゃんと仕切りも設けられています(ただし屋根はありません。露天です)。タイル壁の跡も残っていて、ここがかつて保養所の内湯だったことを物語ってくれます。浴槽の脇にはご丁寧にベンチまで設けられており、火照った体を冷ますのにもってこい。野湯というより、れっきとした露天風呂です。
お湯はここから沢の川上へちょっと離れたところにある源泉地帯から黒いホースで引かれています。男湯からは源泉地帯らしき場所が望めます。そのホースは2本あって片方は男湯へ、もう片方は女湯へと導かれていますので、どうやら男湯と女湯はそれぞれ別の源泉のお湯が張られているようです。
そのお湯は湯船では乳白色に濁っており、見た目から想像できる通り、硫黄の匂いが強く漂います。湯口に置かれたコップで飲んでみると、塩辛い茹で卵をスープにしたような味がはっきりと感じられ、これにホウ酸のような味が加わります。キシキシとした浴感。源泉のお湯は熱めなので、もし浴槽のお湯も熱ければ、沢から引かれたホースの水で適度にうすめて下さい。
山の緑に囲まれ、沢のせせらぎを耳にしながら、乳白色した濃い硫黄の露天風呂に浸かる幸せ。ここまで来てよかったとつくづく実感できることと思います。
この温泉を管理なさっている地元の方々に深く感謝します。
左:男湯の様子。画像奥に源泉地帯らしき場所が見えます
右:脱衣所内に掲示されている、手書きの成分表示
含ホウ酸-食塩・硫化水素泉 59.6℃
北海道標津郡標津町川北
24時間入浴可能(ただし11月頃から5月中旬まで冬季は道路が閉鎖)
無料
ヒグマ発生地帯につき、キャンプや煮炊きは禁止
私の好み:★★★