大甲渓の深い渓谷に沿って温泉街が形成されている谷関温泉。川に2~3本ほど架かっている吊り橋を渡ると、切り立った山肌に挟まれた峻険な谷、そしてその隙間にへばりつくように建つホテル群の様子がよくわかります。
谷関温泉飯店近くのつり橋の上から上流側を望むと、水害で廃墟になった高層ホテルや、流れてきた河原の礫に埋まってしまった構造物などが無残な姿をさらしており、この地を襲った自然の猛威の爪痕をはっきりと見ることができます。
吊り橋の先にはトレイルが敷設されていて、一部行き止まりになっているものの、ちょっとした散策が楽しめます。台湾は亜熱帯なのでいつも暑いことが多いのですが、山の中にある谷関は下界より若干涼しく、爽快に散歩ができました。
温泉街の中心部、ちょうどメインストリートのコンビニ(ファミマ)斜前あたりには、広い公園が整備されています。その一角に建つビジターセンターは「温泉文化館」と称され、内部では台湾や世界の温泉について、かなりマクロ的ではありますが、わかりやすく説明されていました。下手に細かいよりもザックリしていたほうがわかりやすいですね。北京語の他、英語と日本語の解説も併記されているのがうれしいところ。
公園内はとてもよく手入れされていて、花壇も綺麗。
温泉文化館の真下にはドクターフィッシュが無料で体験できる池がありました。池の前には何やら説明文が…。「軽電池」って書いてあるけど、これって「刺激の程度が軽い池ですよ」ってことかしら。他にもいろいろ書いてあるけど、いちいち読むのが面倒なので、とりあえず足を入れちゃえ。
汚い脚でごめんなさい。池の水はぬるいお湯でした。たぶん温泉でしょう。つまり足湯の中でお魚が泳いでいるわけだ。しばらく脚を入れていましたが、お魚はあまり寄ってきません。「軽電池」の意味は「ここの魚はあんまりやる気無いよ」ってことだったのかねぇ。それともお風呂に入った後だから、角質が洗い落とされちゃって、魚のえさになるような汚れが付着していなかったのかな。それでも気を抜いたころにツンと口でつつかれ、その度に声が出そうになるほどのくすぐったさを感じました。
空気は綺麗だし、朝晩は涼しいし、コンビニがあって便利だし、山の緑は豊か。
谷関温泉はとっても良いところでした。