当ブログでも関子嶺温泉を一度紹介していますが、あの濃厚な泥湯とマニア心を掴んで離さない強烈な油臭に包まれたくなり、また関子嶺へ行ってしまいました。今回目指すは、日本統治時代から続く古い宿「関子嶺大旅社」。
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まずは嘉義駅から中山路を数分歩いたところにある嘉義客運のボロいバスターミナルへ。バスは建物の合間の窮屈な空間に無理やり車体を突っ込んで待機しています。よくぞこんな狭いところこじ入れたもんだと感心しながら、ポンコツのバスに乗車。約1時間ほど揺られて関子嶺に到着。
関子嶺の温泉街は古くからあるエリアと、そこから坂をあがったところに位置する新しく開発された嶺頂公園地区の二つに分かれており、以前紹介した儷景温泉会館は嶺頂公園地区にありますが、関子嶺大旅社は古い温泉街のほうに立地しています。バス停から歩いて1~2分で到着です。
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日本統治時代には4大温泉のひとつに数えられた関子嶺。その頃から営業を続けている温泉旅館ですから、そんじょそこらの温泉ホテルとは雰囲気が違う。外観からしてとっても和風。オンボロと言ってはいけない。風格と表現すべき趣です。ちなみに戦前は「龍田屋」という屋号だったそうです。ちょっと裏手にまわると、当時の玄関がちゃんと残っています。
今回は宿泊ではなく、貸切風呂での日帰り入浴です。中に入って受付で料金(200元)を支払います。表には日本語で「関子嶺温泉ホテル」と書かれていますが、かと言って従業員の方が日本語を話せるとは限りません。でも受付の女性は「ニヒャク(200)」と「スリパ(スリッパ)」などの単語をちょこちょこと口にしていましたので、最低限なら何とかなるのかもしれませんよ。
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受付から奥へ進みます。通路の途中や階段脇の小庭には石灯籠が立っており、これらはけだし日本時代の遺物なのかもしれません。
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また客室には「他他米」つまり畳の部屋もあります。近年台湾では日本式の畳が脚光を浴びているそうで、こちらでも畳の部屋を指定して宿泊するお客さんがいらっしゃるのかもしれませんね(以前紹介した紅葉温泉旅社も同じく日本時代からの建物で、畳の部屋が残っています)。館内は迷路のように入り組んでいるので、迂闊に奥へ進むと迷子になりそう。
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通路を進み、左手に大浴場(大衆池)を見ながら階段を下った正面にあるのが個人池、つまり貸切風呂です。
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受付の女性がお風呂まで案内してくださりました。なお、この際にタオルを貸してくれます。指定された浴室の扉を開けた瞬間、強烈な油臭が鼻を突いてくるではありませんか! 忽ち私はメロメロに。日本にも油臭が香る温泉はたくさんありますが、ここはそのいずれにも勝る強烈な匂いです。中毒患者のようにクンクン嗅ぎまくってしまいました。
浴室に匂いが充満しているのは浴槽に常時お湯が満たされているのが原因かと思われます。台湾の貸切風呂は一般的に、使う度にお湯を張替え、一度使ったお湯は全部捨てて、浴槽を空にして帰るものですが、こちらの場合はお湯の量が少ないためか、常時お湯を溜めっぱなしにしているようです。訪問時もお湯が張られていました。
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湯口から出るお湯はチョロチョロですが、温度を測ってみると56.5℃。湯船も当然熱湯状態。湯量を絞るバルブなどがないため、残念ですがホースの水で薄めてからの入浴となりました。でもちょっと水を入れたぐらいで薄くなるようなお湯じゃありません。透明度はほとんどゼロ、明るい鼠色に濃く濁っています。桶にちょっと汲んだだけでも泥の浮遊や濁りが確認できちゃいます。グレーの泥で濁っているので、浴槽の隅には粘土のようなヌルヌルの泥がたっぷり沈殿。口に含んでみると、塩味にたまご味を混ぜたような感じ。泥のためか、あるいは重曹などのナトリウムの影響か、ものすごくヌルヌルスベスベ。気持ち良くて何度も肌をさすってしまいました。
上がり湯がないので、お風呂上がりは泥湯にまみれた体を直接タオルで拭くことになります(浴場内に貼ってある説明書きにもその拭き方を推奨していました)。タオルはあっという間に灰色に染まってしまいますが、受付時に借りたタオルを使えば問題なし(そのために貸してくれるのでしょう)。湯上り後もスベスベ感が長く持続します。美容効果抜群かも。
浴室は古臭いタイル張りで、窓を眺めても何の景色も楽しめず、旅の風情も開放感も得られませんが、何しろお湯が凄いので、個性的な温泉を楽しみたいなら是非おすすめです。家族連れや女性客でしたら、広い風呂があってアメニティが充実している儷景温泉会館などのリゾートホテル、ぼろくても良いお湯を堪能したかったり昔の風情を楽しみたければ関子嶺大旅社のような小さな旅社、というように、旅の目的によってチョイスできるほど施設が多いのが関子嶺のいいところだと思います。
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フロントではこの温泉の泥を乾かした粉末を20元で売っていたので、お土産として一袋購入してみました。でもまだ使ってないんだよなぁ。
(アクセス面に関する記述は、2016年3月に修正させていただきました)
台鉄の新営駅前から新営客運バスの白河行で終点白河下車。白河で関子嶺行に乗り換えて「寶泉橋」バス停下車。
(数年前までは新営から関子嶺まで路線バスが直通していたのですが、最近は途中の白河で系統が分断され、乗り換えを余儀無くされてしまいました。でも白河での接続が比較的スムーズになるようなダイヤが組まれています)
あるいは嘉義から嘉義客運バスの関子嶺行きで「関子嶺」バス停下車(嘉義客運のバス乗り場は台鉄の嘉義駅からちょっと離れているので注意)。
台南市白河区関嶺里20号 地図
06-6822917
200元
7:00~23:00
タオル貸与、ドライヤーあり、使い切りの小さな石鹸とシャンプーがもらえます
私の好み:★★★
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まずは嘉義駅から中山路を数分歩いたところにある嘉義客運のボロいバスターミナルへ。バスは建物の合間の窮屈な空間に無理やり車体を突っ込んで待機しています。よくぞこんな狭いところこじ入れたもんだと感心しながら、ポンコツのバスに乗車。約1時間ほど揺られて関子嶺に到着。
関子嶺の温泉街は古くからあるエリアと、そこから坂をあがったところに位置する新しく開発された嶺頂公園地区の二つに分かれており、以前紹介した儷景温泉会館は嶺頂公園地区にありますが、関子嶺大旅社は古い温泉街のほうに立地しています。バス停から歩いて1~2分で到着です。
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日本統治時代には4大温泉のひとつに数えられた関子嶺。その頃から営業を続けている温泉旅館ですから、そんじょそこらの温泉ホテルとは雰囲気が違う。外観からしてとっても和風。オンボロと言ってはいけない。風格と表現すべき趣です。ちなみに戦前は「龍田屋」という屋号だったそうです。ちょっと裏手にまわると、当時の玄関がちゃんと残っています。
今回は宿泊ではなく、貸切風呂での日帰り入浴です。中に入って受付で料金(200元)を支払います。表には日本語で「関子嶺温泉ホテル」と書かれていますが、かと言って従業員の方が日本語を話せるとは限りません。でも受付の女性は「ニヒャク(200)」と「スリパ(スリッパ)」などの単語をちょこちょこと口にしていましたので、最低限なら何とかなるのかもしれませんよ。
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受付から奥へ進みます。通路の途中や階段脇の小庭には石灯籠が立っており、これらはけだし日本時代の遺物なのかもしれません。
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また客室には「他他米」つまり畳の部屋もあります。近年台湾では日本式の畳が脚光を浴びているそうで、こちらでも畳の部屋を指定して宿泊するお客さんがいらっしゃるのかもしれませんね(以前紹介した紅葉温泉旅社も同じく日本時代からの建物で、畳の部屋が残っています)。館内は迷路のように入り組んでいるので、迂闊に奥へ進むと迷子になりそう。
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通路を進み、左手に大浴場(大衆池)を見ながら階段を下った正面にあるのが個人池、つまり貸切風呂です。
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受付の女性がお風呂まで案内してくださりました。なお、この際にタオルを貸してくれます。指定された浴室の扉を開けた瞬間、強烈な油臭が鼻を突いてくるではありませんか! 忽ち私はメロメロに。日本にも油臭が香る温泉はたくさんありますが、ここはそのいずれにも勝る強烈な匂いです。中毒患者のようにクンクン嗅ぎまくってしまいました。
浴室に匂いが充満しているのは浴槽に常時お湯が満たされているのが原因かと思われます。台湾の貸切風呂は一般的に、使う度にお湯を張替え、一度使ったお湯は全部捨てて、浴槽を空にして帰るものですが、こちらの場合はお湯の量が少ないためか、常時お湯を溜めっぱなしにしているようです。訪問時もお湯が張られていました。
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湯口から出るお湯はチョロチョロですが、温度を測ってみると56.5℃。湯船も当然熱湯状態。湯量を絞るバルブなどがないため、残念ですがホースの水で薄めてからの入浴となりました。でもちょっと水を入れたぐらいで薄くなるようなお湯じゃありません。透明度はほとんどゼロ、明るい鼠色に濃く濁っています。桶にちょっと汲んだだけでも泥の浮遊や濁りが確認できちゃいます。グレーの泥で濁っているので、浴槽の隅には粘土のようなヌルヌルの泥がたっぷり沈殿。口に含んでみると、塩味にたまご味を混ぜたような感じ。泥のためか、あるいは重曹などのナトリウムの影響か、ものすごくヌルヌルスベスベ。気持ち良くて何度も肌をさすってしまいました。
上がり湯がないので、お風呂上がりは泥湯にまみれた体を直接タオルで拭くことになります(浴場内に貼ってある説明書きにもその拭き方を推奨していました)。タオルはあっという間に灰色に染まってしまいますが、受付時に借りたタオルを使えば問題なし(そのために貸してくれるのでしょう)。湯上り後もスベスベ感が長く持続します。美容効果抜群かも。
浴室は古臭いタイル張りで、窓を眺めても何の景色も楽しめず、旅の風情も開放感も得られませんが、何しろお湯が凄いので、個性的な温泉を楽しみたいなら是非おすすめです。家族連れや女性客でしたら、広い風呂があってアメニティが充実している儷景温泉会館などのリゾートホテル、ぼろくても良いお湯を堪能したかったり昔の風情を楽しみたければ関子嶺大旅社のような小さな旅社、というように、旅の目的によってチョイスできるほど施設が多いのが関子嶺のいいところだと思います。
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フロントではこの温泉の泥を乾かした粉末を20元で売っていたので、お土産として一袋購入してみました。でもまだ使ってないんだよなぁ。
(アクセス面に関する記述は、2016年3月に修正させていただきました)
台鉄の新営駅前から新営客運バスの白河行で終点白河下車。白河で関子嶺行に乗り換えて「寶泉橋」バス停下車。
(数年前までは新営から関子嶺まで路線バスが直通していたのですが、最近は途中の白河で系統が分断され、乗り換えを余儀無くされてしまいました。でも白河での接続が比較的スムーズになるようなダイヤが組まれています)
あるいは嘉義から嘉義客運バスの関子嶺行きで「関子嶺」バス停下車(嘉義客運のバス乗り場は台鉄の嘉義駅からちょっと離れているので注意)。
台南市白河区関嶺里20号 地図
06-6822917
200元
7:00~23:00
タオル貸与、ドライヤーあり、使い切りの小さな石鹸とシャンプーがもらえます
私の好み:★★★