温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

宇都宮市郊外 さくらパークゴルフ さくら温泉

2013年06月03日 | 栃木県
 
3年前の2010年3月にオープンした、宇都宮市郊外にあるショートコースのゴルフ場兼温泉入浴施設「さくらパークゴルフ・さくら温泉」は、ネット上での評判を拝見するとなかなか良いお風呂らしいので、どんなところなのか興味津々、行ってみることにしました。もう開業して3年も経っているのに、2年前に購入した私のカーナビでは検索できず、不審者の如く新里町を車でウロウロしているうちにこの施設の案内看板を見つけ、それに従って車を走らせたのですが、入口がちょっとわかりにくい場所にあり、そこに立っている上画像を見つけた時には入口ゲートの前を通りすぎていました。ヤマト運輸の営業所の手前がゲートですので、初回訪問時にはこの看板と共に営業所を目印にすると良いかと思います。


 
ゲートを入って真っ直ぐ進むと十字路があり、その左手には駐車場がありますが、ここには車を止めずに道標に従って右へ曲がると、受付のそばまで車で乗りつけることができます。温泉へと向かうアプローチはショートコースの外周に沿っており、コース内ではツツジの花が綺麗に咲いていました。


 
このプレハブ小屋が温泉の受付となっており、私が車を止めると、中から係員の女性が出てきて親切に案内してくださいました。料金などは窓口左側の券売機で支払います。



お風呂は大浴場である露天風呂と貸切の個室風呂の2種類があり、今回は500円で入浴できる露天風呂を利用しました。浴場棟は受付のすぐ左です。


 
浴場入口のドアを開けると、前方でお湯を湛える露天風呂が目に入ってきます。開業当初は吹き晒しの露天風呂がポツンとあって、その傍らに屋根掛けしている脱衣所がちょこんと設けられていたようなプリミティブな造りだったそうですが、その後改修が行われ、風呂と脱衣所をまるごと覆う大きな屋根が建てられて全天候型になったようです。でも基本的なレイアウトは従前のままであり、入浴エリアと脱衣エリアに隔たりは無く、脱衣スペースはかなり狭くて一人でも棚の前に立ってしまうと、他には誰も着替えられなくなってしまうような感じです。また洗い場と近接しているため、配慮に欠ける方がシャワーを使うと脱衣エリアまでビショビショになってしまうおそれもあります。でもお手入れはきちんと行き届いており、清潔で気持ちよく使うことができました。下足場すぐ横にロッカーが設置されているのですが、各扉には鍵がささっていないので、利用する場合はおそらく受付で鍵を借りるのだろうと思われます。


 
上述のようにお風呂は全体的に屋根掛けされていますから、半露天風呂のような造りです。なお内湯はありません。洗い場にはシャワーが左右に2つずつ分かれて配置されており、確信は持てませんがシャワーから出てくるお湯はおそらく源泉だろうと思われます(明らかに真湯とは異なり、後述する湯口と同じ知覚が感じられました)。日本庭園の中にお風呂を据えたような趣きが演出されており、男女両浴室の境は竹垣を模したエクステリアで直線状に仕切られ、反対側は緩やかに曲線を描き、その外側には灌木を中心とした庭木が植えられています。この日はツツジが見頃を迎えており、新緑と相俟って美しい情景がつくり出されていました。


 
ヨットのセイルのような形状をしている石板貼りの浴槽は、プールのようにとても広く、多少お客さんが集中しても混雑を感じさせないほどのキャパシティを有してるようでした。また、洗い場ゾーンには休憩できるようなスペースは無いのですが、浴槽の縁が広く確保されてるため、お湯でちょっとのぼせたら、ここに上がってクールダウンすることができました。
湯船が広いにもかかわらず源泉投入量がとても多く、シャワーのすぐ脇の切り欠けからはまるで川のように豪快にお湯が溢れ出ています。この光景を目にするだけで私は興奮状態に陥りました。


 
浴槽の最奥にある湯口からは源泉がドバドバと注がれています。お湯は非加温・非加水なんだそうですから、加水しないでこの量を常時投入できるということは、湧出量が相当多いのでしょうね。お湯は無色澄明で弱い芒硝味を帯びています。ただ惜しむらくは塩素系薬剤の臭いが意外とはっきり漂っており、掛け湯するだけでその刺激臭が鼻を突いてきたほどです。分析表には「硫化水素臭」と記されていましたが、利用時には全く感じられず、おそらくこの消毒臭によって消されてしまったものと想像されます。また分析表のデータを見ますと、溶存物質0.998g/kgと記録されており、あと0.002gあればナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉を名乗れる極めて惜しい状態にあることがわかるのですが、もしかしたら日によっては溶存物質量が上下して単純泉を脱する時があるのかもしれませんね。硫酸塩の存在を主張するかのように、湯口パイプのまわりには白い析出が少しずつ付着しはじめていました。
浴感としてはツルスベでもキシキシでもなく、掴みどころのない感覚なのですが、優しいフィーリングであることに間違いはなく、投入量が多いためにお湯の鮮度は良好であり、湯上りはさっぱり爽快、肌もサラサラし、しかも保温効果もしっかり持続しました。


 
ついでに個室風呂もちょこっと見学させていただくことに。
まだ内装材の匂いが漂う館内の廊下左側には、「思川桜」など栃木県にちなんだ名前が付けられた個室が並んでいます。なお廊下右側の休憩室は露天風呂利用者も無料で使えます。



個室のひとつを覗いてみました。


 
清潔感の漲る室内にはリクライニングチェアーのほか、洗面台やテレビも用意されており、なかなかの充実ぶりです。



個室風呂は半露天で、家族で利用するには十分の広さ。シャワーも2つあるので、カップルや親子で二人同時にシャンプーできちゃいます。お風呂は利用の度にお湯を張り替えるシステムのようですから、その都度新しいお湯に浸かれるわけですね。首都圏でこのような個室風呂の存在は貴重だと思います。九州のように関東地方ももっと個室風呂を導入したら良いのに…。
併設のショートコースも1200円でラウンドできますし、その料金には露天風呂の入浴料も含まれていますから、両方を利用するのでしたらかなりお得です。あまり目立っていない施設ですが、コストパフォーマンスが結構良いかもしれませんね。


さくら園の湯
アルカリ性単純温泉 50.4℃ pH9.3 300L/min(動力揚湯・1500m) 溶存物質0.998g/kg 成分総計0.998g/kg
Na+:234.1mg,
Ca++:75.3mg, Cl-:71.5mg, SO4--:520.4mg, HCO3-:23.5mg, CO3--:14.4mg,
H2SiO3:43.6mg,
塩素系薬剤による消毒あり

宇都宮駅(JR・東武)から関東バスの「ろまんちっく村」行で「仁良塚」下車、徒歩4~5分
栃木県宇都宮市新里町1113-6  地図
028-665-6000

10:00~21:00
500円(貸切個室風呂2000円/90分)
ビジタープレー料金(露天風呂入浴料込)1日1200円(午後1000円)

私の好み:★★
コメント
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