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前回に引き続き入来温泉を取り上げます。今回取り上げる公衆浴場「亀の湯」は路地裏に位置しているために、温泉街が残っていた頃には見つけにくい隠れキャラのような存在でしたが、再開発による温泉街の解体が進捗している現在では、周囲の建物が取っ払われているため、温泉街のメインストリートから丸見えの状態となっていました。
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釣尾川という小川に沿って建てられているこちらの浴場のすぐ傍には、浴場名を冠した橋(亀之湯橋)が架かっています。親柱の埋め込まれている銘板には昭和46年と記されていました。浴場の建物自体はさほど古くないのですが、浴場としてはそれなりに歴史があるんですね。
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訪問時の玄関は開けっぴろげで番台は無人でしたが、カウンターの上では番犬ならぬ番猫がしっかり監視中。私はこのニャンコ様にご挨拶を済ませてから、きちんと料金を納めさせていただきました。公衆浴場より50円安い、まさにワンコイン入浴。でも鹿児島県って100円で入れる温泉は決して珍しくないんですよね。
番台の裏手には休憩室と思しきスペースがあるのですが、ニャンコのエサやマットなどが置かれていたり生活臭が強く漂っていたりと、他所者が気安く休めるような空間ではなかったような気が…。
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脱衣室は明るくてお手入れもまずまず。南国の温泉には欠かせない扇風機も完備です。
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タイル貼りの浴室は実用本位で、公衆浴場にしては小規模の部類かと思われます。洗い場にはシャワー付き混合水栓が2基設置されており、水栓から出てくるお湯はボイラーの沸かし湯です。
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洗い場にはシャワーの他、前回取り上げた「柴垣湯」と同じく源泉が直接投入されている掛け湯(あがり湯)枡があって、手桶で源泉を汲んで頭から被ることも可能ですが、バルブから出たばかりのお湯は直に触れないほど熱いので、実際に掛け湯する際には槽に取り付けられている蛇口の水で薄めた方が良いかもしれません。槽のまわりは温泉成分の付着によってゴテゴテしており、赤茶色に染まっていました。
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上がり湯に投入されたお湯は浴槽へと落とされ、湯船を満たしてから、槽の縁の切り欠けより排湯されていきます。当然ながら完全掛け流し。上がり湯槽のお湯をそのまま落とすと入浴には熱すぎるためか、浴槽へ流下させる量はやや絞り気味になっており、加水が無い状態でも43℃くらいに調整されていました。上がり湯同様、浴槽のタイル表面も温泉成分によって赤茶色のボコボコが付着しています。お湯は薄い橙色に弱く濁り、湯中でも細かな湯の花の浮遊が見られます。槽内の底やステップには湯の花が沈殿しており、湯船に足を踏み入れると舞い上がった湯の花によって足跡が残りました。味や匂いに関しては金気+土気+甘塩味+石膏感+弱芒硝感があり、メインである重炭酸土類泉的な知覚の他、硫酸塩泉的な感覚(特に弱めながら芒硝感)を確認することもできました。味ははっきりしていますが、匂いはちょっと弱めかも(私の嗅覚が鈍いだけかもしれませんが)。なお「柴垣湯」で感じられた炭酸味は、こちらでは得られなかったように記憶しています。
日中なのに混雑している「柴垣湯」とは対照的に、こちらはノンビリとした空気が横溢しており、混雑とは無縁な状態。しかも50円も安く利用できるのが嬉しいですね。
(2泉源混合)
ナトリウム-塩化物温泉 57.8℃ pH6.4 溶存物質3255mg/kg 成分総計3589mg/kg
Na+:846.7mg(77.28mval%), Ca++:169.7mg(17.77mval%),
Cl-:1178mg(69.83mval%), SO4--:282.6mg(12.36mval%), CO3--:512.3mg(17.65mval%),
H2SiO3:131.1mg, HBO2:60.7mg, CO2:334.3mg,
(平成4年3月3日)
鹿児島県薩摩川内市入来町副田6075-50 地図
0996-44-2561
6:00~21:00
100円
備品類なし
私の好み:★★