前回記事で取り上げた川棚温泉「小天狗」で一晩過ごした翌朝は、当地唯一の温泉銭湯である「ぴーすふる青竜泉」を訪ねました。こちらは元湯を名乗っているように、自家源泉を有している当地では数少ない施設のひとつであるため、どんなお湯なのか体感してみたかったのです。
ネット上の情報によればいつも多くのお客さんで賑わっているらしいので、混雑回避とその日の行動予定を勘案し、朝9時のオープン直後に訪問したのですが、すでに館内は朝風呂を楽しむ地元の常連さんが集まっており、浴場ではすべての洗い場が埋まってしまうほどでしたので、今回記事では内部の画像記録を一切行っておりません。文章のみで紹介させていただきますので悪しからず。
都市部の銭湯を思わせる現代的で機能的なタイル張りの浴場には、中央にb字形の主浴槽が据えられ、それを囲むように壁に沿ってシャワー付きカランが計12基設置されています。カランから出てくるお湯は真湯です。主浴槽の左側にはサウナと水風呂が並んでいます。
b字形の主浴槽は奥行5m弱、最も膨らんでいる脱衣室側で最大幅2.5mほど。奥の湯口よりお湯がしっかり注がれ、曲線を描く脱衣室側の縁の上よりふんだんにオーバーフローしています。私が訪問した時の湯加減は(体感で)約41℃でした。なお湯口に近い方には電気風呂装置が設けられているのですが、私は電気風呂が苦手なので湯口に近づくことができませんでした。
主浴槽の右側には屋外に出るドアがあり、開けるとすぐに露天風呂がお湯を湛えていました。露天といっても猫の額のように狭く、しかも単に屋根がないだけで、四方は高い塀に囲まれているため、露天風呂というワードが有する開放感はほとんど感じられません。浴槽も2〜3人サイズというコンパクトなものです。湯加減も内湯よりぬるい40℃前後です。しかしながら、実用的な内湯との差別化を図るためか、この露天風呂には赤い石板が用いられており、こうした趣向を凝らした設えからは、温泉風情を醸し出そうとする施設側の意気込みが伝わってきました。
上述のようにこちらでは自家源泉を各浴槽に供給しており、内湯・露天とも放流式の湯使いです。見た目は無色透明でほぼ無味無臭。湯の花の浮遊や気泡の付着などは確認できません。浴感としては弱いスルスベ。オーバーフロー量から推測するに、しっかり豊富にお湯を掛け流しているものと思われます(気温の低い時期のみ加温あり)。しかしながら、お湯からは塩素消毒の臭いがかなり強く放たれており、これによってせっかくの温泉の持ち味が打ち消されていました。もっとも、公衆浴場は不特定多数のお客さんが次々に利用するので、お客さんの身の安全を考えたら、塩素消毒は致し方ないかと理解したいところです。
こちらの施設には貸切風呂(4室)もあるので、次回利用する機会があれば貸切風呂に入ってみたいなぁ。
今回私が川棚温泉を巡った日には、日帰り入浴NGだったお宿が多かったため(準備ができていない、もしくは宿自体がお休みというのが、その理由でした)、一か八かのリスクを気にすることなく、いつでも気軽に川棚の湯に入れるこちらの施設は、当地においては非常に貴重な存在かと思います。
含弱放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 42.8℃(これ以外のデータは見当たらず)
加温あり(気温の低い期間のみ)
塩素系薬剤使用(衛生管理のため)
下関駅もしくは川棚温泉駅よりサンデン交通あるいはブルーライン交通の川棚温泉行き路線バスで終点下車。
山口県下関市豊浦町川棚湯町5159-2 地図
083-772-0047
ホームページ
9:00〜21:00 2・4・6・9・12月の第1金曜定休
420円
ロッカー(100円有料)・ドライヤー(20円有料)あり
私の好み:★★