今回記事から連続して、拙ブログでは初登場となる山口県の温泉を取り上げます。まずは宇部市の持世寺温泉から。
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山陽本線の厚東駅で電車を降り、目の前のバス停から路線バスに乗り継ぎます。
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厚東駅からバスに揺られること数分、「持世寺温泉入口」停留所で下車。
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バス停から線路沿いの県道を宇部市街方面へ(西へ)ちょこっと歩くと信号があり、持世寺温泉を指し示す標識が立っているので、この標識に従って丁字路を曲がり、すぐ踏切を渡った後とは道なりに歩いていきます。厚東川を渡って、バス停から約5分歩くと、上画像のような看板が路傍に立っているのを見つけました。今回の目的地は、この看板が示す「杉野湯」です。
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看板が立っていなければ、私はこの建物が湯屋であることに気づかなかったでしょう。一見すると、民家かあるいは平屋の公民館のような外観をした「杉野湯」の建物ですが、近づいてみますと、玄関の手前右側に番台専用の小窓が設けられており、その小窓が決して民家でないことを物語っていました。番台で湯銭を支払ってから、玄関へと向かいます。
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杉野湯はニャンコたちのパラダイス。この日も番台のまわりにはたくさんの猫たちが来客の行き来をボンヤリと眺めていました。
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年季の入った渋い佇まいの湯屋へ。館内の設備は必要最低限に抑えられています。ロッカーは見当たらなかったので、私は自分の貴重品類を(持参した)防水袋に入れて浴室へ持ち込みました。欲を言えば、もうちょっとお掃除してくれると良いのですが…。
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まるで東北の湯治場を思わせる鄙びた浴室に入ると、温泉由来のタマゴ臭がフワッと香ってきました。室内には左右に分かれて浴槽が2つ据え付けられており、右側のベージュ色タイルの浴槽は加温槽、左側の青い豆タイル張りは非加温源泉槽です。この非加温源泉槽手前の窓下には洗い場が配置されており、お湯と水の押しバネ式(宝式)のカランが3組取り付けられていました。
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右側の加温浴槽は(目測で)2m×3mの6人サイズ。無色透明無味無臭のお湯が張られていました。30℃未満の源泉を43℃前後まで加温しているのですが、その影響なのか、後述する非加温源泉槽で感じられたような、源泉由来の知覚的特徴は飛んで消えてしまっているようでした。なお、お湯のオーバーフローは見られず、浴槽内でなかったので、貯め湯式(あるいは循環)の湯使いかと思われます。この加温浴槽は、一般的な公衆浴場よりも熱めの湯加減にセッティングされているのですが、なぜ熱いのか、その理由は後述する非加温源泉湯に入った後に理解できました。
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濃淡コバルトブルーの豆タイルが張られた非加温の源泉浴槽。縁は黒い洗い出しになっていて、槽内のブルーと縁のブラックが、お湯の清らかさを際立たせています。浴槽は加温浴槽より一回り小さい4〜5人サイズで、コック付きの湯口から何の加工もされていない源泉100%のぬる湯がドバドバと吐出されており、湯尻から惜しげも無く溢れ出ていました。疑う余地のない完全放流式の湯使いです。この非加温浴槽の温度は25℃プラスαといったところですから、さすがにここで温まるわけにはいきませんが、一般的な水風呂より高温なので、水風呂が苦手な方でも緊張することなく入れるかと思います。特に夏の入浴は最高に爽快でしょう。湯口に置かれたコップで飲泉してみますと、マイルドながらもしっかりと主張してくる茹で卵の卵黄みたいな味と匂いが感じられました。浴感自体にこれといった特徴はありませんが、上述の熱い加温浴槽とぬるい非加温浴槽を交互に入ると、その温度差が非常に気持ち良いのです。私は病み付き状態になってしまい、何度も両浴槽を往復してしました。おもての番台で湯銭を支払う時に「1時間です」と言われたのですが、その理由がわかりました。なるほど、この気持ち良さなら、人によっては何時間も入り続けてしまうかもしれません。
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屋外には古い露天浴槽があり、現在は立入禁止になっていましたが、おそらくここに源泉があり、ポンプで浴場へ引いているのでしょう。かつてはこの露天風呂で湯治が行われていたのかもしれません。
ニャンコ天国ゆえに番台まわりはペット臭がきつかったり、また館内も全体的に清掃がいまいちだったりと、潔癖性の方にはちょっと厳しいかと思いますが、源泉の良さを楽しめれば良いという御仁なら、そうしたネガティヴ要素を補って余りあるほどの満足感を得られるに違いありません。
杉野泉
単純弱放射能温泉 26.7℃ pH8.1 67.1L/min(自噴・深さ2m) 溶存物質0.266g/kg 成分総計0.271g/kg
Na+:41.3mg(66.18mval%), Ca++:16.8mg(30.88mval%),
F-:9.1mg, Cl-:41.9mg(34.01mval%), HS-:0.3mg, S2O3--:0.1mg, SO4--:11.1mg, HCO3-:96.0mg(45.24mval%),
H2SiO3:45.2mg, Rn:70.3×10^-10Ci/kg
(2015年6月12日)
加温あり(入浴に適した温度に保つため。加温浴槽のみ)
JR山陽本線・厚東駅より徒歩20分(約1.6km)。もしくは厚東駅か宇部駅より宇部市営バスの西宇部厚東線(西13など)で「持世寺温泉入口」バス停下車、徒歩5分
山口県宇部市大字吉見持世寺2910 地図
0836-62-0020
平日7:30~19:30、土日祝7:30~18:30、水曜定休
495円/1時間
備品類なし
私の好み:★★
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山陽本線の厚東駅で電車を降り、目の前のバス停から路線バスに乗り継ぎます。
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厚東駅からバスに揺られること数分、「持世寺温泉入口」停留所で下車。
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バス停から線路沿いの県道を宇部市街方面へ(西へ)ちょこっと歩くと信号があり、持世寺温泉を指し示す標識が立っているので、この標識に従って丁字路を曲がり、すぐ踏切を渡った後とは道なりに歩いていきます。厚東川を渡って、バス停から約5分歩くと、上画像のような看板が路傍に立っているのを見つけました。今回の目的地は、この看板が示す「杉野湯」です。
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看板が立っていなければ、私はこの建物が湯屋であることに気づかなかったでしょう。一見すると、民家かあるいは平屋の公民館のような外観をした「杉野湯」の建物ですが、近づいてみますと、玄関の手前右側に番台専用の小窓が設けられており、その小窓が決して民家でないことを物語っていました。番台で湯銭を支払ってから、玄関へと向かいます。
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杉野湯はニャンコたちのパラダイス。この日も番台のまわりにはたくさんの猫たちが来客の行き来をボンヤリと眺めていました。
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年季の入った渋い佇まいの湯屋へ。館内の設備は必要最低限に抑えられています。ロッカーは見当たらなかったので、私は自分の貴重品類を(持参した)防水袋に入れて浴室へ持ち込みました。欲を言えば、もうちょっとお掃除してくれると良いのですが…。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/b9/d83b683616d8a3731fadc67c48e8fe72.jpg)
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まるで東北の湯治場を思わせる鄙びた浴室に入ると、温泉由来のタマゴ臭がフワッと香ってきました。室内には左右に分かれて浴槽が2つ据え付けられており、右側のベージュ色タイルの浴槽は加温槽、左側の青い豆タイル張りは非加温源泉槽です。この非加温源泉槽手前の窓下には洗い場が配置されており、お湯と水の押しバネ式(宝式)のカランが3組取り付けられていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/7e/d46083547c22f69a9c8a1d585b617081.jpg)
右側の加温浴槽は(目測で)2m×3mの6人サイズ。無色透明無味無臭のお湯が張られていました。30℃未満の源泉を43℃前後まで加温しているのですが、その影響なのか、後述する非加温源泉槽で感じられたような、源泉由来の知覚的特徴は飛んで消えてしまっているようでした。なお、お湯のオーバーフローは見られず、浴槽内でなかったので、貯め湯式(あるいは循環)の湯使いかと思われます。この加温浴槽は、一般的な公衆浴場よりも熱めの湯加減にセッティングされているのですが、なぜ熱いのか、その理由は後述する非加温源泉湯に入った後に理解できました。
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濃淡コバルトブルーの豆タイルが張られた非加温の源泉浴槽。縁は黒い洗い出しになっていて、槽内のブルーと縁のブラックが、お湯の清らかさを際立たせています。浴槽は加温浴槽より一回り小さい4〜5人サイズで、コック付きの湯口から何の加工もされていない源泉100%のぬる湯がドバドバと吐出されており、湯尻から惜しげも無く溢れ出ていました。疑う余地のない完全放流式の湯使いです。この非加温浴槽の温度は25℃プラスαといったところですから、さすがにここで温まるわけにはいきませんが、一般的な水風呂より高温なので、水風呂が苦手な方でも緊張することなく入れるかと思います。特に夏の入浴は最高に爽快でしょう。湯口に置かれたコップで飲泉してみますと、マイルドながらもしっかりと主張してくる茹で卵の卵黄みたいな味と匂いが感じられました。浴感自体にこれといった特徴はありませんが、上述の熱い加温浴槽とぬるい非加温浴槽を交互に入ると、その温度差が非常に気持ち良いのです。私は病み付き状態になってしまい、何度も両浴槽を往復してしました。おもての番台で湯銭を支払う時に「1時間です」と言われたのですが、その理由がわかりました。なるほど、この気持ち良さなら、人によっては何時間も入り続けてしまうかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/76/cd95a500e8263a6ac12d7a7d3033c3cf.jpg)
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屋外には古い露天浴槽があり、現在は立入禁止になっていましたが、おそらくここに源泉があり、ポンプで浴場へ引いているのでしょう。かつてはこの露天風呂で湯治が行われていたのかもしれません。
ニャンコ天国ゆえに番台まわりはペット臭がきつかったり、また館内も全体的に清掃がいまいちだったりと、潔癖性の方にはちょっと厳しいかと思いますが、源泉の良さを楽しめれば良いという御仁なら、そうしたネガティヴ要素を補って余りあるほどの満足感を得られるに違いありません。
杉野泉
単純弱放射能温泉 26.7℃ pH8.1 67.1L/min(自噴・深さ2m) 溶存物質0.266g/kg 成分総計0.271g/kg
Na+:41.3mg(66.18mval%), Ca++:16.8mg(30.88mval%),
F-:9.1mg, Cl-:41.9mg(34.01mval%), HS-:0.3mg, S2O3--:0.1mg, SO4--:11.1mg, HCO3-:96.0mg(45.24mval%),
H2SiO3:45.2mg, Rn:70.3×10^-10Ci/kg
(2015年6月12日)
加温あり(入浴に適した温度に保つため。加温浴槽のみ)
JR山陽本線・厚東駅より徒歩20分(約1.6km)。もしくは厚東駅か宇部駅より宇部市営バスの西宇部厚東線(西13など)で「持世寺温泉入口」バス停下車、徒歩5分
山口県宇部市大字吉見持世寺2910 地図
0836-62-0020
平日7:30~19:30、土日祝7:30~18:30、水曜定休
495円/1時間
備品類なし
私の好み:★★