早いもので本年もあと2日。大晦日にアップする予定の今年最後の記事では、一年を振り返るつもりですので、通常の記事は今回が年内ラストとなります。今回も前回以前から続いているアメリカ・ネバダ州の温泉を取り上げ、今年通常記事の締めくくりとさせていただきます。
ナイ郡の郡庁所在地であり、かつて鉱山で栄えた哀愁の街トノパーを抜け、US95号線をラスベガス方面に向かって南下します。
トノパーから21マイル南下したところで、"Alkali 7"と記されている標識の角を右折し、西へ走ります。
US95号線から7マイルほど行くと、やがて道左側の丘の上に、変電設備の廃墟が見えてきます。これが今回目指す温泉の目印です。
電柱や碍子が放置されている丘に登って、西側に広がる平原を見下ろすと、目下に大小複数の池が見えます、
丘から道に戻ると、大きな木の下にコンクリでできた池が水を張っていました。池の中では魚が泳いでおり、近所のロバが水を飲んでいました。
そして、その池の傍に、2つの露天バスタブが設けられていました。ここが今回の目的である「アルカライ温泉」(Alkali Hot Springs)です。
二つのバスタブを逆方向から見てみましょう。2つはおおまかな大きさこそ似ていますが、構造や形状は異なっていますね。
ひとつは地べたを掘り下げて作られたもので、アメーバ型と称すべき形状をしており、浴槽内はモルタルで固められています。でも入浴するには少々浅く、しかもお湯の投入量が少なくぬるかったため、こちらは見学するだけにとどめました。
もうひとつは煉瓦を直径2メートルほど円筒状に積み上げて作られたもの。廻りに柱が立ち、紐が張られているので、日差しがまぶしい時などはこの紐を使って日除けを垂らすことができるかと思います。バスタブの内部はやや深いのですが、ステップが設けられているので、それを足掛かりにすると、安全に入れそうです。いずれのバスタブにも少々緑掛かった黄土色に弱く濁るお湯が張られています。
源泉は変電所廃墟の崖下にあり、そこから黒いホースでお湯を引いています。湯口からは48.8℃というちょっぴり熱めの温泉が絶え間なく注がれています。浴槽では少々濁っていましたが、湯口では無色透明であり、弱炭酸味と弱い金気、そして土類感が得られます。泉質は重炭酸土類泉か塩化土類泉のいずれかだと思われます。なお地名かつ温泉名はアルカライ、つまりアルカリですが、この温泉はアルカリ性ではないでしょう。
実際に入浴しました。上段右側もしくは2枚目の画像は、私がお湯に浸かっている状態での目線から周囲の景色を撮影したものです。どうですか、雄大な景色を独り占めできちゃうんですよ。湯口では48℃以上あったお湯も、湯船では43.5℃という入浴可能な温度にまで落ち着いているのがありがたいところ。しかも加水なしでこの湯加減ですから、お湯の濃さはそのまんまです。だからとっても気持ち良い! 上述のように重炭酸土類泉か塩化土類泉に属するタイプのお湯ですから、湯中では肌がキシキシと引っかかり、風呂上りには全身に砥の粉を塗ったような粉っぽさが残ります。とても良く温まるお湯であり、湯浴み中も体がかなり火照りました。その一方、この手の泉質のお湯が野湯となっている田代元湯や然別峡野湯群を思い浮かべればわかるように、浴槽内にはどうしても藻や苔が発生しやすく、私が入浴しようと思った時にも湯面にはそうした浮遊物が見られましたので、潔癖症の人にはちょっと受け入れがたいところがあるかもしれません。でも軽く浮遊物を除去だけでもかなり満足いく湯あみが楽しめましたので、ワイルドかつプリミティヴな温泉が好きな方でしたら、間違いなく気に入っていただける一湯だと思います。
雄大な景色の中で入る超開放的な露天風呂。しかも車があれば容易にアクセス可能です。
いつまでも入っていたくなるほど素晴らしい名湯でした。
GPS:37.824693, -117.337665,
野天風呂につきいつでも入浴可能。
無料
備品類なし
私の好み:★★★
ナイ郡の郡庁所在地であり、かつて鉱山で栄えた哀愁の街トノパーを抜け、US95号線をラスベガス方面に向かって南下します。
トノパーから21マイル南下したところで、"Alkali 7"と記されている標識の角を右折し、西へ走ります。
US95号線から7マイルほど行くと、やがて道左側の丘の上に、変電設備の廃墟が見えてきます。これが今回目指す温泉の目印です。
電柱や碍子が放置されている丘に登って、西側に広がる平原を見下ろすと、目下に大小複数の池が見えます、
丘から道に戻ると、大きな木の下にコンクリでできた池が水を張っていました。池の中では魚が泳いでおり、近所のロバが水を飲んでいました。
そして、その池の傍に、2つの露天バスタブが設けられていました。ここが今回の目的である「アルカライ温泉」(Alkali Hot Springs)です。
二つのバスタブを逆方向から見てみましょう。2つはおおまかな大きさこそ似ていますが、構造や形状は異なっていますね。
ひとつは地べたを掘り下げて作られたもので、アメーバ型と称すべき形状をしており、浴槽内はモルタルで固められています。でも入浴するには少々浅く、しかもお湯の投入量が少なくぬるかったため、こちらは見学するだけにとどめました。
もうひとつは煉瓦を直径2メートルほど円筒状に積み上げて作られたもの。廻りに柱が立ち、紐が張られているので、日差しがまぶしい時などはこの紐を使って日除けを垂らすことができるかと思います。バスタブの内部はやや深いのですが、ステップが設けられているので、それを足掛かりにすると、安全に入れそうです。いずれのバスタブにも少々緑掛かった黄土色に弱く濁るお湯が張られています。
源泉は変電所廃墟の崖下にあり、そこから黒いホースでお湯を引いています。湯口からは48.8℃というちょっぴり熱めの温泉が絶え間なく注がれています。浴槽では少々濁っていましたが、湯口では無色透明であり、弱炭酸味と弱い金気、そして土類感が得られます。泉質は重炭酸土類泉か塩化土類泉のいずれかだと思われます。なお地名かつ温泉名はアルカライ、つまりアルカリですが、この温泉はアルカリ性ではないでしょう。
実際に入浴しました。上段右側もしくは2枚目の画像は、私がお湯に浸かっている状態での目線から周囲の景色を撮影したものです。どうですか、雄大な景色を独り占めできちゃうんですよ。湯口では48℃以上あったお湯も、湯船では43.5℃という入浴可能な温度にまで落ち着いているのがありがたいところ。しかも加水なしでこの湯加減ですから、お湯の濃さはそのまんまです。だからとっても気持ち良い! 上述のように重炭酸土類泉か塩化土類泉に属するタイプのお湯ですから、湯中では肌がキシキシと引っかかり、風呂上りには全身に砥の粉を塗ったような粉っぽさが残ります。とても良く温まるお湯であり、湯浴み中も体がかなり火照りました。その一方、この手の泉質のお湯が野湯となっている田代元湯や然別峡野湯群を思い浮かべればわかるように、浴槽内にはどうしても藻や苔が発生しやすく、私が入浴しようと思った時にも湯面にはそうした浮遊物が見られましたので、潔癖症の人にはちょっと受け入れがたいところがあるかもしれません。でも軽く浮遊物を除去だけでもかなり満足いく湯あみが楽しめましたので、ワイルドかつプリミティヴな温泉が好きな方でしたら、間違いなく気に入っていただける一湯だと思います。
雄大な景色の中で入る超開放的な露天風呂。しかも車があれば容易にアクセス可能です。
いつまでも入っていたくなるほど素晴らしい名湯でした。
GPS:37.824693, -117.337665,
野天風呂につきいつでも入浴可能。
無料
備品類なし
私の好み:★★★