温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

入湯2500湯記念 桜田温泉 山芳園 その1(客室・食事など)

2018年09月06日 | 静岡県
国内外を問わず津々浦々のいろんな温泉に入ってきた私。年々その訪問数を増やしており、2000湯目を迎えたのは2014年、台湾の秘境「紅香温泉」でした。2014年ころの私は1年で200~250ヶ所の温泉を訪ねるような生活を送っており、まさに温泉に人生を捧げるような毎日でしたが、その後私を取り巻く環境が変化して温泉巡りに充てられる時間が激減してしまい、今年(2018年)に至っては下半期に入っているにもかかわらずまだ50湯に届くかどうかといったところ。マニアとしてはとても寂しくて不甲斐なくストレスフルなのですが、むしろこれで一般的な常識人に近づいたのかもしれず、ようやく私もちゃんとした真人間になれる気がします。「早く人間になりたい」と希う妖怪人間ベムの気持ちがちょっぴり理解できました。いよいよ妖怪人間からの脱却です。

そんな状況なので、最近は身も心もお湯切れ状態。もはや温泉マニア失格なのですが、辛うじて確保できる休日には細々と関東近県の温泉へ出かけるようにしており、なんだかんだで、今年(2018年)の春には2500湯(※)を迎えられることになりました。せっかくのハッピーアニバーサリーですから、印象に残るような素敵な温泉で記念すべきひと時を過ごしたいと考え、4月の某日、温泉ファンから人気が高い西伊豆の桜田温泉「山芳園」で一晩お世話になりました。
(※)自己紹介のページでもご説明しておりますが、この数は対象の入浴施設に初めて訪れた時の回数をカウントしております。源泉数でも温泉地数でもなく、入浴施設数(野湯を含む)を単純にカウントしています。


●外観
 
なまこ壁の港町「松崎」へ注ぎ込む那賀川沿いに伸びる長閑な田園地帯。
谷あいのささやかな耕作地は、田植えシーズンを迎えるまで、可憐なお花畑へと姿を変えます。


 
そんな田んぼの北側に今回お邪魔した桜田温泉「山芳園」があります。周囲には他にお宿が無い一軒宿です。


 
いかにも松崎らしいなまこ壁に包まれた建物の間を進んで玄関へ。



アプローチの途中には池が水を静かに湛えていました。
また傍らにはまん丸い夫婦タヌキの置物が飾られており、その愛嬌のある容貌は実に微笑ましく、思わず写真を撮ってしまいました。



ステップを上がって玄関へ。
おじゃまします。


 
玄関を上がって左手のロビーには大きな囲炉裏があり、また本棚には書籍が用意されているので、赤く燃える炭の温もりを感じながら読書をしてゆっくり過ごすことができます。


●客室
 
人気のお宿ですから、希望のお部屋を予約するのは至難の業。できれば客室内に温泉のお風呂があるお部屋を利用したかったのですが、あいにく満室だったので、この日唯一残っていたベッドのお部屋を予約しました。本館からちょっと離れた新館2階の「蓮華」という部屋。このお宿でベッドの客室はここだけなんだそうです。しかも全客室の中では最も広い14畳もあるんです。ゆったりとした空間でのんびりとしたひと時。お祝いの日にふさわしい贅沢な過ごし方だと自分で満足しちゃいました。



窓からの眺めはこんな感じ。
宿の敷地や目の前の耕作地を一望できます。


●食事
 

旅館の大きな楽しみといえばお食事ですよね。
ささやかながらもお祝いの日ですから、2食付きでお願いしました。
この日の夕食の献立は・・・
 赤卵の厚焼き
 シイタケの山椒煮
 伊豆鹿源泉ロースト
 地魚皮湯引き
 地魚うろこ煎餅
 お造り(駿河海の幸 カツオ・スズキ・ヒラメ・イサキの昆布締め 松崎産本山葵)
 深海ニギス桜葉焼き
 フキノトウ 素焼きタケノコ
 本日の魚皿、野菜の煮物
 桜田温泉アイガモ農法米
 焼き塩鯖
 伊豆野菜と地魚出汁 スープ仕立て
 (一部省略)
このような数々。地のものや旬のものを多く使って丁寧に料理してくださった品々は、どれもが美しく、上品、そして美味しい! 思わず会話が弾み、お酒も進みます。


 
ちなみに、桜田温泉アイガモ農法米とは、目の前の田んぼで収穫されたお米なのですが、その名の通りアイガモさんたちが除草してくれることにより農薬を使わない稲作を実現しているんだそうです。体に優しく美味しいお米ですから、普段おかわりしない人でも、ここに来れば2膳3膳と食が進むこと間違いありません。
なおアイガモさんたちは、私が泊った日にも姿を見せてくれました。帳場で餌を売っているので、餌付けも可能です。それぞれ個性があり、臆病な子もいれば積極的な子もいて、そんなカモたちを観察してると、人間社会を投影しているようでもありました。



こちらは食後のデザート。小夏葛餅 松崎フランボワーズ みかんケーキ。伊豆らしく柑橘類のスイーツです。


 
朝食はアジの開きや温泉卵など、いかにも和の献立がお膳の上に並びます。これもまた美味しく、気づけばペロっとすべてを平らげていました。夏みかんのジュースも美味!

さて、次回記事からはお風呂を取り上げてまいります。

次回に続く・・・
コメント (7)
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