前回記事の続編です。
さて先日から連続して取り上げてまいりました「桜田温泉 山芳園」の訪問記ですが、ラストとなる今回はお宿ご自慢の露天風呂へお邪魔することにします。広さ約20帖、容量約31トンという規模を有する露天風呂は、以前男女混浴のお風呂として使われていましたが、今年2月から貸切利用となり、広くて大きくて開放的な露天風呂を独占できちゃうのです。
前回記事の貸切風呂(家族風呂)同様、利用に際して予約は不要。空いていれば利用可能です(安全上の理由で、夜22:00から翌朝の日の出までは利用できません)。また利用時間には特に制限を設けていませんが、1回につき30分が目安とのことです。
露天風呂の出入口には上画像のような扉が設けられています。誰も使っていない時は扉が開放されていますから、利用する場合はその扉を閉めます。すると扉の表側に固定されている「使用中」の札が表示されます。階段を上がると更に扉がありますので、そこを開閉して露天風呂へ。
敷地内の斜面に設けられた露天風呂。私が宿泊した離れの建物の2階と同じ高さにあって、渡り廊下でつながっているようですが、お客さんの動線を1つに制限するためその通路は閉鎖されていました。
さすが約20帖という広さは伊達じゃありません。しかも浴槽の容量が約31トン。大浴場のように宿泊客がいつでも湯浴みできるのならともかく、こんな規模の露天風呂を貸切で楽しめちゃうのですから、感動しない人はいないでしょう。縦長の浴槽はいわゆる岩風呂で、所々に巨大な岩が据えられています。また奥半分には屋根が掛かっていますので、多少の雨なら凌ぐこともできるでしょう。
周囲の山の緑を借景にした日本庭園風に設えられているこの露天風呂は、内湯同様に手入れが行き届いていますから、気持ち良く湯浴みできます。また場内の一角にはシャワーが2つ設置されていますから、湯船へ浸かる前に掛け湯することもできます。私の訪問時、このシャワーの傍ではツツジが花を咲かせていました。
湯船はまるでプールのように広々とした岩風呂。繰り返しますが、こんな広い露天風呂を貸切で利用できるのですから、有難いじゃありませんか。貧乏性が骨の髄まで染み込んでいる私は、ありがたい気持ちが過度になり、却って申し訳なく恐縮しちゃうほど。広いお風呂のどこに身を置いて良いか困ってしまい、正常な判断能力が失われ、なにを狂ったのかお風呂で
平泳ぎしてしまいました。よい子のみんなは私のマネしちゃいけません。
私はこの露天風呂で広い大きいばかりを繰り返し感動していたわけではありません。広さに戸惑いながらも、ちゃんとマニアックな目線で捉えておりました。こちらの温泉は伊豆に多い無色透明の硫酸塩泉ですが、岩風呂の湯面周りには硫酸塩の白い析出がビッシリこびりついており、成分の内容や濃さがビジュアル的にはっきりと顕れていました。私個人としては、こんな真っ白でトゲトゲな析出にお目にかかれるだけでもニンマリしてしまいます。
露天風呂におけるお湯の供給は滝のように上から落とされていました。内湯はお湯の質を劣化させないよう浴槽内で供給していましたが、露天風呂ではお湯のコンディションよりも景観やイメージを重視したのでしょう。なお湯の滝だけではお湯が冷めてしまうからか、滝の下部にはもうひとつの湯口があり、そこからは激熱な温泉が吐出されていました。この両者の量をそれぞれ増減させることで湯加減を調整しているのでしょうね。おかげさまで良い湯加減でのんびり湯浴みを堪能させていただきました。
なお湯加減についてもうちょっと述べますと、この露天ではややぬるめの温度に設定されており、それゆえ長湯することができるのですが、硫酸塩泉としてのパワーがかなり強く、浸かっているうちに力強く火照り、心臓の鼓動が激しくなったので、一旦湯船から出てクールダウンしてしまいました。無色透明のお湯だからといって侮る勿れ。やはり本物の温泉はパワーが違うのです。
客室、お料理、そして複数の浴室(温泉)。それぞれからお宿の真心と丁寧な仕事が伝わってくる、実に素敵なお宿です。西伊豆の自然と味覚、そして当地ならではの静かな時間を満喫し、トロットロの新鮮なお湯につかりながら、記念すべき2500湯目を存分に楽しませていただきました。
余談ですが、私が訪れた4月上旬。お宿の前に広がる田んぼは、一面お花畑に姿を変えます。タイミングが良ければ、川沿いの河津桜と花畑の可憐な花々を同時に愛でることができるため、多くの観光客が訪れます。そんなお花畑の一角は、ここ数年、あることで注目を集めています。
それは、お花畑の中に飾られたリアルなかかし達。一見すると集落の人々が集っているように見えるのですが、実はすべてハリボテなのです。上画像はそんなハリボテ達が綱引きを競っている真っ最中。
私もハリボテの中に紛れ込んでみました。人間とハリボテの区別がつきますか?
当地を訪れた観光客は、私と同じように、かかしの中に紛れ込んで虚実が入り混じった不思議な光景を楽しんでいらっしゃいました。来年も開催されることでしょう。ご興味のある方は、春に松崎町へどうぞ!
桜田温泉 松崎9号
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉 71.8℃ pH8.5 成分総計1837mg/kg
Na+:298.3mg, Ca++:246.5mg,
Cl-:93.9mg, SO4--:1103mg, CO3--:7.3mg,
H2SiO3:72.3mg,
(平成21年8月24日)
加温加水循環消毒なし
静岡県賀茂郡松崎町桜田569-1
0558-42-2561
ホームページ
日帰り入浴なし(宿泊のみ)
宿泊プランに関しては公式サイトでご確認を。
私の好み:★★★
さて先日から連続して取り上げてまいりました「桜田温泉 山芳園」の訪問記ですが、ラストとなる今回はお宿ご自慢の露天風呂へお邪魔することにします。広さ約20帖、容量約31トンという規模を有する露天風呂は、以前男女混浴のお風呂として使われていましたが、今年2月から貸切利用となり、広くて大きくて開放的な露天風呂を独占できちゃうのです。
前回記事の貸切風呂(家族風呂)同様、利用に際して予約は不要。空いていれば利用可能です(安全上の理由で、夜22:00から翌朝の日の出までは利用できません)。また利用時間には特に制限を設けていませんが、1回につき30分が目安とのことです。
露天風呂の出入口には上画像のような扉が設けられています。誰も使っていない時は扉が開放されていますから、利用する場合はその扉を閉めます。すると扉の表側に固定されている「使用中」の札が表示されます。階段を上がると更に扉がありますので、そこを開閉して露天風呂へ。
敷地内の斜面に設けられた露天風呂。私が宿泊した離れの建物の2階と同じ高さにあって、渡り廊下でつながっているようですが、お客さんの動線を1つに制限するためその通路は閉鎖されていました。
さすが約20帖という広さは伊達じゃありません。しかも浴槽の容量が約31トン。大浴場のように宿泊客がいつでも湯浴みできるのならともかく、こんな規模の露天風呂を貸切で楽しめちゃうのですから、感動しない人はいないでしょう。縦長の浴槽はいわゆる岩風呂で、所々に巨大な岩が据えられています。また奥半分には屋根が掛かっていますので、多少の雨なら凌ぐこともできるでしょう。
周囲の山の緑を借景にした日本庭園風に設えられているこの露天風呂は、内湯同様に手入れが行き届いていますから、気持ち良く湯浴みできます。また場内の一角にはシャワーが2つ設置されていますから、湯船へ浸かる前に掛け湯することもできます。私の訪問時、このシャワーの傍ではツツジが花を咲かせていました。
湯船はまるでプールのように広々とした岩風呂。繰り返しますが、こんな広い露天風呂を貸切で利用できるのですから、有難いじゃありませんか。貧乏性が骨の髄まで染み込んでいる私は、ありがたい気持ちが過度になり、却って申し訳なく恐縮しちゃうほど。広いお風呂のどこに身を置いて良いか困ってしまい、正常な判断能力が失われ、なにを狂ったのかお風呂で
平泳ぎしてしまいました。よい子のみんなは私のマネしちゃいけません。
私はこの露天風呂で広い大きいばかりを繰り返し感動していたわけではありません。広さに戸惑いながらも、ちゃんとマニアックな目線で捉えておりました。こちらの温泉は伊豆に多い無色透明の硫酸塩泉ですが、岩風呂の湯面周りには硫酸塩の白い析出がビッシリこびりついており、成分の内容や濃さがビジュアル的にはっきりと顕れていました。私個人としては、こんな真っ白でトゲトゲな析出にお目にかかれるだけでもニンマリしてしまいます。
露天風呂におけるお湯の供給は滝のように上から落とされていました。内湯はお湯の質を劣化させないよう浴槽内で供給していましたが、露天風呂ではお湯のコンディションよりも景観やイメージを重視したのでしょう。なお湯の滝だけではお湯が冷めてしまうからか、滝の下部にはもうひとつの湯口があり、そこからは激熱な温泉が吐出されていました。この両者の量をそれぞれ増減させることで湯加減を調整しているのでしょうね。おかげさまで良い湯加減でのんびり湯浴みを堪能させていただきました。
なお湯加減についてもうちょっと述べますと、この露天ではややぬるめの温度に設定されており、それゆえ長湯することができるのですが、硫酸塩泉としてのパワーがかなり強く、浸かっているうちに力強く火照り、心臓の鼓動が激しくなったので、一旦湯船から出てクールダウンしてしまいました。無色透明のお湯だからといって侮る勿れ。やはり本物の温泉はパワーが違うのです。
客室、お料理、そして複数の浴室(温泉)。それぞれからお宿の真心と丁寧な仕事が伝わってくる、実に素敵なお宿です。西伊豆の自然と味覚、そして当地ならではの静かな時間を満喫し、トロットロの新鮮なお湯につかりながら、記念すべき2500湯目を存分に楽しませていただきました。
余談ですが、私が訪れた4月上旬。お宿の前に広がる田んぼは、一面お花畑に姿を変えます。タイミングが良ければ、川沿いの河津桜と花畑の可憐な花々を同時に愛でることができるため、多くの観光客が訪れます。そんなお花畑の一角は、ここ数年、あることで注目を集めています。
それは、お花畑の中に飾られたリアルなかかし達。一見すると集落の人々が集っているように見えるのですが、実はすべてハリボテなのです。上画像はそんなハリボテ達が綱引きを競っている真っ最中。
私もハリボテの中に紛れ込んでみました。人間とハリボテの区別がつきますか?
当地を訪れた観光客は、私と同じように、かかしの中に紛れ込んで虚実が入り混じった不思議な光景を楽しんでいらっしゃいました。来年も開催されることでしょう。ご興味のある方は、春に松崎町へどうぞ!
桜田温泉 松崎9号
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉 71.8℃ pH8.5 成分総計1837mg/kg
Na+:298.3mg, Ca++:246.5mg,
Cl-:93.9mg, SO4--:1103mg, CO3--:7.3mg,
H2SiO3:72.3mg,
(平成21年8月24日)
加温加水循環消毒なし
静岡県賀茂郡松崎町桜田569-1
0558-42-2561
ホームページ
日帰り入浴なし(宿泊のみ)
宿泊プランに関しては公式サイトでご確認を。
私の好み:★★★