温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

清水地熱の野湯 2019年春 再訪

2019年05月21日 | 台湾
引き続き台湾の温泉を取り上げます。
前回記事の礁渓温泉でレンタカーを借りた私は、宜蘭市街を経由しながら台7線という幹線道路を走って、蘭陽渓という大きな川をさかのぼりました。この川の中流域にあたる大同郷というエリアは秘湯の宝庫であり、以前にも拙ブログでその数々を紹介させていただきましたが、今回(2019年)の旅はその中から強く印象に残っている野湯を再訪してみることにしました。
まず向かったのは清水地熱です。

拙ブログでは2013年に取り上げております。その時の記事はこちらです。
「清水地熱の野湯」(2013年5月1日)

当時は人影の少ない山奥の静かな場所で、国策企業が開発した地熱研究所の跡地に簡素な観光施設が建てられたばかり。その近くの川原で熱い温泉が自噴しており、そのお湯を溜めることによって気軽に野湯を楽しめたのでした。とても開放的なロケーションの中で浸かる白濁のお湯に感動した私は、その野湯の画像をしばらく拙ブログのタイトル画像に設定したほどでしたが、今回の旅でもあの野湯に入りたいと願い、期待に胸を膨らませながら現地へ向かったのでした。



幹線道路「台7丙」の途中から脇道に入って現地を目指します。以前はアウトドア好きな方か事業用の車しか目指さなかったような僻地でしたが、数年経って再訪してみると、現地へ向かう車の種類が明らかに異なっており、家族連れと思しき乗用車が目立っていました。しかも台数が多いのです。現地に到着すると、以前には無かった立派な駐車場ができており、平日だというのに多くの車がとめられていました。しかも駐車場は有料。この時点で私はイヤな予感を覚えたのですが、とりあえず車を降りて、先へ歩いてみることに。



駐車場から公園への動線が綺麗に整備されているではありませんか。なお駐車場は有料でしたが、公園自体は無料です。とはいえ、ここへ公共交通機関で来ることはできませんから、駐車料金が実質的な入園料になっているのでしょう。



先述のように、ここ清水地熱では台湾の国策企業「中国石油」が地熱発電プラントを試験運用していましたが、思うような効果が得られずプラントとしての運用は中止され、設備も放置されています。しかし・・・



構内は地熱を活かした公園として整備され、駐車場の車の多さが示唆していたように、園内は多くの観光客で賑わっていました。



このように足湯を楽しむ方もいれば・・・



100℃近い沸騰状態で湧出する温泉を活かし、タマゴやトウモロコシを茹でている方もたくさんいらっしゃいました。



園内には売店があり、ここで茹でる食材を販売しているのです。以前訪問した時には、こんな施設はありませんでした。



目の前で食材を売っているのですから、ここへ来たらみなさん食材を購入しちゃいますよね。ボイル槽には大量の食材が入れられていました。以前訪問時には食材を持参する必要がありましたから、随分便利になったものです。



でも私は、足湯をしたいわけでも、食材をボイルしたいわけでもありません。野湯に入りたいのです。
ということで、6年前の記憶を頼りに、一旦公園から出て堤防を下り、目の前の川原へ向かうことにしました。



礫が広がる広い河原の奥で、白い蒸気が上がっていますね。
でもその場所は川の流れの向こう側なので、流れの手前で靴を脱ぎ、ズボンの裾をまくり、裸足になっていざ渡渉!



思いのほか深くて流れが急な川の渡渉に難儀しながらも、なんとか湯気が上がっている箇所に到着しました。
6年前に訪れた時と比べ、湯気の立ち上る勢いがいまひとつ心細い感じがします。



心細いのは湯気だけではありませんでした。以前は白濁した温泉が入浴できるほど大量に自噴していましたが、今回私が発見できた湯溜まりは直径にして50~60cm、深さは10cmあるかないかという非常に小さなもので、入浴はおろか足湯すらできない代物です。これでは悔しいので、あたりを探索してみましたが、野湯らしきものは発見できませんでした。

公園整備に伴って関係する役所が野湯できそうな湯溜まりを埋めてしまったのか、あるいは川の増水で地熱の噴出箇所が変わってしまったのか・・・。なぜ湯溜まりが消えてしまったのか不明ですが、とにかく残念です。公園内に全身浴ができるお風呂でもあれば、まだ精神的に救われたのですが、公園が整備されてもお風呂は新設されなかったため、とにかく当地では入浴することができません。
潔く湯浴みを諦めた私はここを離れ、他の場所へ移動することにしました。

次回に続く。






宜蘭県大同郷三星路八段501巷139号
電話03-9894500
開園時間9:00~17:00
(現地までの公共交通機関は無し。駐車場有料)

私の好み:評価不可
コメント
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